神戸戦までの3週間は「ボール保持の時の取り組み」に焦点
[J1第30節]神戸 3-1 鹿島/10月21日/国立競技場
鹿島アントラーズにとって、優勝戦線に踏みとどまるための重要な一戦だった。しかし、首位のヴィッセル神戸との国立競技場での試合は、1-3で敗戦。リーグ優勝の可能性はなくなり、7季連続で国内主要タイトルの無冠が確定した。
鹿島にとって何が足りなかったのか。
30節終了時で6位、昨季と同じ4位は勝点3差で十分に射程圏内だ。いわゆる上位陣であることは間違いないだろう。ただ、タイトルまでは一歩足りない。その足りない距離を埋めるために、試行錯誤を繰り返している。
神戸戦までは、ルヴァンカップや天皇杯のほか、代表のインターナショナル・マッチデーもあり、前節からは約3週間の期間があった。
岩政大樹監督は「ボール保持の時の取り組み」にフォーカスし、「自分たちのリズム」で試合を進めることに主眼を置いた。主体的にゲームをコントロールすることを目ざしたのは、対戦相手によって差が出ているようでは「優勝できない」と感じたからだ。
神戸戦では立ち上がりから最終ラインでパスをつなぎ、相手のプレスを剥がそうとする姿勢は見えた。それでも、相手の勢いに押され、前半のうちに2失点を喫した。
ベンチから戦況を見つめていた仲間隼斗は「常に理想を追いかけることは大事なこと」と言う一方で、物足りなさも感じたという。
「少し理想にとらわれ過ぎた部分はあったと思います。相手に対して対処していく部分が足りなかったのかなと。神戸もパスワークで剥がしてくる相手には慣れている部分もあったはずです。
だからこそ、自分たちの根本にあるものをまずはぶつけないといけない。まずは神戸に走り勝って、球際の勝負に勝って、個々の局面で勝っていく。その積み重ねで優勝が見えてきて、士気の上がる神戸のパワーを上回っていかないといけない」
後半のスタートから投入された仲間は、意図したとおり、チームの活性化に一役買った。それでもチームは勝点を奪うことはできていない。
モダンで論理的なスタイルと、伝統的な熱量や強度を押し出した戦い方。両方を取り入れてこそ次の一歩が踏み出せるはずだ。シーズン終盤でこんなことを言っていてもいけないかもしれないが...“まだ”4節残っている。今季中にその最適解を見つけたい。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
◆完敗の神戸戦で考える鹿島が目ざすべきスタイル「根本にあるものをまずはぶつけないと」仲間隼斗の言葉にヒントが!(サッカーダイジェスト)
『まずは走り勝って、球際の勝負に勝って、個々の局面で勝っていく。その積み重ねで優勝が見えてくる』
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) October 23, 2023
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