日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年3月30日土曜日

◆染野唯月が劇的2発! 京都は豊川雄太の“ゴラッソ”などで2点リードも、東京Vが追いつきドロー(サッカーキング)



染野唯月


 2024明治安田J1リーグ第5節が29日に行われ、東京ヴェルディと京都サンガF.C.が対戦した。

 代表ウィークに突入していた関係で2週間弱中断していた2024明治安田J1リーグは、本日の“フライデーナイトJリーグ”で再開する。『味の素スタジアム』で相まみえるのは、ここからボトムハーフ脱却を目指す東京Vと京都だ。

 ホームチームの東京Vはここまで2分2敗と未勝利が続いている。内容面では悪くない戦いを見せながら、開幕戦の横浜F・マリノス戦(●1-2)、第2節の浦和レッズ戦(△1-1)、第3節のセレッソ大阪戦(●1-2)では3試合連続で終了間際にゴールを許し、勝ち点を失ってきた。一方、前節のアルビレックス新潟戦では、90分に翁長聖が値千金の同点ゴールを挙げ、2-2のドローに持ち込んでいる。16シーズンぶりにJ1を戦うシーズンの初勝利を、今季3度目のホームゲームで掴みたい。

 一方、京都は開幕戦の柏レイソル戦では、1点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイム、尚志高校から新加入した安齋悠人がJ1デビュー戦で劇的な同点弾を決め、1-1のドローに持ち込んだ。続く第2節湘南ベルマーレ戦では終盤の失点で1-2と敗れたものの、第3節の川崎フロンターレ戦では、セットプレーの流れから川﨑颯太が決勝弾を決め、アウェイの地で今季初勝利。2連勝を掲げてホームへ戻った前節の横浜F・マリノス戦は、立ち上がりにミスから失点しただけでなく、8分でアピアタウィア久が退場し、早い時間帯から10人での戦いを強いられた。それでも、前半終了間際の2得点で追い付くと、後半も10人で戦う姿勢は見せたが、終わってみれば2-3で敗北。今節は2試合ぶりの勝利を目指す。

 東京Vはここまでともに2得点を挙げている山田楓喜、木村勇大が京都から期限付き移籍中のため、契約上の問題により出場不可。チームの総得点「5」のうち、実に4得点を挙げている2人の不在は痛手だが、今季初先発を飾る松橋優安や山田剛綺への期待もかかる。一方、京都は前節横浜FM戦からスターティングメンバー2名を変更。出場停止のアピアタウィアに代わって宮本優太が京都で初のスタメンに入り、前節負傷交代した金子大毅に代わって武田将平が起用された。

 試合は立ち上がりの3分、京都が東京V守備陣に生まれた一瞬の隙を突く。敵陣へのクリアボールをうまく収めたマルコ・トゥーリオが背後のスペースへ流し入れると、抜け出した豊川雄太がダイレクトでゴールネットを揺らす。幸先良く京都が先手を取ったかに思われたが、ここは豊川のポジションがオフサイドと判定され、得点は認められない。

 対する東京Vも決して試合に入りが悪かったわけではない。激しい守備で奪ってから、両サイドをうまく使ってゴールに迫るも、ラストパスが合わないシーンが散見される。

 両チーム、それぞれの選手の豊富な運動量を武器に、激しいバトルを繰り広げるなか、22分に均衡が破れる。京都は敵陣へ押し込んだ状態で、最終ラインでバックパスを受けた宮本優太が右足でロングフィードを送ると、フリーで胸トラップした豊川雄太が右足一閃。ペナルティエリア手前の位置から思い切り良く右足を振り抜くと、無回転の一撃はクロスバーに当たってゴールに吸い込まれた。

 先手を取った京都は続く26分、右サイドでボールを持った武田将平が後ろへ落とすと、待っていた原大智が右足でアーリークロスを放り込む。ここは谷口栄斗に跳ね返されたものの、こぼれ球を拾った松田天馬は原大智の動き出しを見逃さず、内側のスペースへスルーパスを送る。抜け出した原大智が右足で流し込み、京都がリードを広げた。

 ホームで負けられない東京Vは33分、セットプレーのこぼれ球を深澤大輝が右足を振り抜くも、相手に当たってディフレクションした一撃はGKク・ソンユンに阻まれる。前半はこのまま京都の2点リードで終了した。

 後半に入ると、2点を追いかける東京Vが動く。翁長聖と山田剛綺を下げて稲見哲行と齋藤功佑を投入。見木友哉をセカンドトップ、稲見哲行を中盤の一角、齋藤功佑を右サイド、松橋優安を左サイドの2列目に置く布陣で後半をスタートさせた。

 後半の立ち上がりには東京Vが意図的にボールを握る時間を作り、自陣からのビルドアップで相手を引き付けながら、徐々にシュートまで持ち込む場面を増やしていく。最終的にはオフサイドとなったものの、58分には森田晃樹からのスルーパスで背後をとった染野唯月がシュートを狙うが、ここはGKク・ソンユンが立ちはだかる。続く59分には敵陣右サイドでのボール奪取から見木友哉がミドルシュートまで持ち込む場面も作った。

 勢いに乗る東京Vは61分、左サイドバックの深澤大輝を下げて、攻撃的な選手の山見大登を投入。一方で京都も同じタイミングで先制点を挙げた豊川雄太に代えて宮吉拓実を入れ、サイドからカウンターを狙う準備を整える。

 その後は東京Vが攻勢を強める時間を増やしたが、京都も完全に崩れることなく試合を進める。このまま京都の2点リードで終盤に突入したが、東京Vは80分に反撃の狼煙を上げる。76分に松橋優安が綱島悠斗と交代したことで、左サイドバックに入っていた稲見哲行が敵陣高い位置でボールを受け、スルーパスを供給。抜け出した山見大登は1度ボールを失ったように見えたが、粘りを見せて福田心之助の前に入り、ボックス内でファウルを誘発。東京VがPKを獲得した。

 PKキッカーを務めるのは染野唯月。右足から放たれたキックはGKク・ソンユンに読まれたものの、シュートの勢いとコースの良さが上回り、ゴールに吸い込まれる。東京Vが1点差に詰め寄った。

 染野の今季初ゴールでスタジアムのボルテージは高まり、東京Vは5分間の後半アディショナルタイムまで攻撃的な姿勢を貫く。するとアディショナルタイムに入って3分が経過した頃、東京Vが再びゴールへ襲いかかる。左サイドでボールを持った稲見哲行がロングボールを放り込むと、綱島悠斗が競り勝ってフリーの齋藤功佑へボールが流れる。ボックス右から中央へグラウンダーのボールを送ると、足を伸ばした染野唯月がダイレクトで押し込んだ。

 土壇場で東京Vが試合を振り出しに戻し、試合はこのままタイムアップ。前半は京都ペース、後半は東京Vペースと呼べるような白熱の一戦はドローで終了した。

 次節はミッドウィークの4月3日に開催される。東京Vは敵地で湘南と、京都もアウェイでガンバ大阪と、それぞれ対戦予定だ。





【スコア】
東京ヴェルディ 2-2 京都サンガF.C.

【得点者】
0-1 22分 豊川雄太(京都サンガF.C.)
0-2 26分 原大智(京都サンガF.C.)
1-2 80分 染野唯月(PK/東京ヴェルディ)
2-2 90+3分 染野唯月(東京ヴェルディ)

【スターティングメンバー】
東京V(4-4-2)
GK:マテウス
DF:宮原和也、林尚輝、谷口栄斗、深澤大輝(61分 山見大登)
MF:松橋優安(76分 綱島悠斗)、森田晃樹、見木友哉、翁長聖(46分 齋藤功佑)
FW:染野唯月、山田剛綺(46分 稲見哲行)

京都(4-3-3)
GK:ク・ソンユン
DF:福田心之助、宮本優太、麻田将吾、佐藤響
MF:川﨑颯太;武田将平、松田天馬(89分 三竿雄斗
FW:豊川雄太(61分 宮吉拓実)、マルコ・トゥーリオ(74分 福岡慎平);原大智(89分 山﨑凌吾)





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