ボランチで先発しフル出場、9年ぶり川崎撃破に貢献。
[J1 4節]鹿島 2-1 川崎/2024年3月17日15:00/カシマサッカースタジアム
J1リーグ4節、鹿島アントラーズがチャヴリッチと鈴木優磨のゴールで、川崎フロンターレに2-1の逆転勝利を収めた。鹿島は今季ホーム初勝利。リーグ戦では実に9年ぶりとなる川崎戦での白星となった。
ボランチで先発した佐野海舟はフル出場を果たし、改めて存在感を示した。
「失点したタイミングなど課題は残りましたが、後半に入る際、『一回勢いを持って向かって行こう』と話して2得点できて、前線の選手に感謝したいです。(川崎について)なかなか勝てずにいたことは知っていましたが、決して悲観せず、自分たちのサッカーを作り上げながら、それを出せているシーンも数多くありました。試合の入りを含め、前節(FC町田ゼルビア戦)と違うサッカーができました」
「失点シーンの数的優位を作られたところは課題です。ただ中盤のプレーでは負けていなかったと思います」
1週間前には、古巣である町田戦で0-1の敗戦を喫した。人一倍の悔しさを噛み締めた佐野は、鹿島の勝利のために何ができるか――を改めて考え、そして結果を残してみせた。
「(町田戦の敗戦は)すごく悔しかったです。しかし、チームのためにやるしかないと、すぐ切り替えられました。今日しっかり勝利を掴めたので、自分のプレーの課題はありますが、ひとまず良かったと思います」
その好感触を日本代表でも生かす――。その期待を彼自身も抱いていた。
「(日本代表では)チームが求めるものとバランスを取り、自分の特長を出してアピールしたいです。(復帰した長友佑都について)復帰を決めた直後の試合でゴールを決めたのも決して運ではなかったはずです。そのメンタルの面など、たくさんいろいろな話を聞きたいです。(平壌について)なるべくサッカーに集中したいです。(何を持っていく?)本は持っていくと思います。(漫画?)ではないです」
そのように佐野は37歳の長友との活動などを楽しみにしていた。
しかし……この試合で負傷し、北中米ワールドカップ(W杯)北朝鮮代表との2連戦に臨むサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)への参加辞退が3月18日に発表された。
川崎との激しいバトルを繰り返していたなか、佐野も何度かピッチで倒れた。アントラーズサポーターの見守る前で、本人は決して弱気な姿勢を見せなかったが、相当なダメージを受けていた。
惜しまぬハードワークとデュエルに堂々と挑むタフさが武器の佐野だけに、まずその負傷を癒し、3月30日、ホームで再開を迎えるジュビロ磐田戦に備える。