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18日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・グループE第1節、シャルケ対ステアウア・ブカレストの一戦は、3-0でホームのシャルケが勝利を収めた。シャルケDF内田篤人は右サイドバックでフル出場し、CL初得点をゲット。チームの白星を力強く引き寄せた。
フンテラール、ジョーンズ、パパドプロスという主力を欠き、チーム力低下が懸念されたシャルケ。だが、序盤はその影響をまったく感じさせることなく、ホームの優位性を生かして積極的に前へ出た。
開始9分には、内田の巧みなボールカットから、1トップに入ったショライが惜しいシュートを放ち、13分にはファルファンと絡んで右サイドを崩した内田のクロスにボアテングがヘッド。こうした序盤の好機を決めきれなかったのが、その後の展開を苦しくした。
立ち上がり20分間は様子見だったステアウアは、ハイプレスから徐々にリズムをつかむ。右MFのポパが持ち前の突破力を生かしてチャンスをつくり、左MFタナセも強引なミドルを打ちにいくなど、特定の選手に頼らない攻めも光った。1トップのカペタノスが起点になる回数は少なかったが、点を取りに行く前向きさでは相手を上回っていた。
忍耐を強いられるシャルケの方も、30分にはファルファンのマイナスのクロスから、ペナルティーエリア内でフリーになったボアテングが決定的シュートを放ち、44分にもカウンターからボアテングが前線で抜け出したが、どうしても1点が遠い。ボールポゼッション自体は55対45を上回ったが、完全にステアウアを制圧することができず、物足りなさが色濃く残った。
0-0で折り返した後半。シャルケは前半より良い流れでゲームに入った。51分にはノイステッターの縦パスに反応したボアテングがフリーでシュート。これはDFに阻まれたが、得点には近付いている印象だった。
けれども、ステアウアも簡単に失点を許さない。前半同様に粘り強い守備から得点をうかがった。54分には左CKからカペタノスがヘッドで合わせ、61分にはポパの強烈シュートが枠をかすめる。こうした鋭い攻撃はたびたびシャルケに脅威を与えた。
こう着状態が続き、シャルケにとっては嫌なムードも漂った。それを打ち破ったのが、67分のラッキーな先制弾だ。右サイドを駆け上がった内田のクロスにボアテングとショライが走りこんだ際、相手DFとGKがお見合い。そのままボールは無人のゴールへ飛び込んだ。意外な1点に内田本人も顔を覆ったが、チームメートの祝福にようやく笑顔をのぞかせた。
日本人右サイドバックのCL初得点で重苦しかった試合の均衡が敗れ、シャルケは本来の鋭さを取り戻した。そして78分には待望の追加点を挙げる。右サイドをドリブルで持ち上がったファルファンから、中央で受けたドラクスラーが、DFを引きつけて左から飛び込んだボアテングにラストパス。これを背番号9が楽々と押し込み、確実にリードを広げた。
さらに85分には、ドラクスラーがファルファン、途中出場のフクスとの良い連係から3点目をゲット。完全に勝負を決めた。
前半から非常に良い内容で戦っていたステアウアは、まさかのミスによる失点で自滅。完全に集中力が切れ、アウェーで手痛い3失点を喫する結果を余儀なくされた。内田の先制点までは相手を大いに苦しめていただけに、悔やまれるゲームだった。
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