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8月23日(土)J1 第21節 清水 vs 鹿島(18:00KICK OFF/アイスタ)
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監督交代後の成績がホームで1勝、アウェイで2敗の清水。大榎克己監督の色は少しずつ試合にも表われ始めている中で、今度のホーム2戦目は、チームにとって大きな正念場となる。対戦相手の鹿島は、現在7戦負けなし(4勝3分)で、首位の浦和と勝点4差の4位。チームの若返りを図りながらも鹿島らしい勝負強さがかなり出てきており、水曜日の天皇杯の試合がなかったので体調面でも有利。再建途上の清水にとっては、非常に難しい相手と言える。
現在13位の清水は、16位のC大阪とは勝点5差で、ここから鹿島、鳥栖、浦和、神戸、G大阪と上位陣との戦いが続く。チームの空気としては、選手もサポーターも非常に明るく前向きだが、おかれた状況はけっして楽観視できるものではない。だからこそ、ホームでは何としてもしぶとく勝点をつかんでいきたいところだ。
そのためにまず重要になるのは、守備を安定させ、失点を減らすことだ。簡単にDFラインの裏をとられてしまう問題はある程度改善されてきたが、まだ淡泊な失点が多く、前節の仙台戦ではカウンターへの対応が課題となって表われた。また、水曜日の天皇杯を含めると2試合連続でセットプレーから同じような形で失点を喫している。セットプレーからの失点の多さは、監督交代以前からの課題で、そう簡単に減らせるものではないだろうが、セットプレーも大きな武器のひとつである鹿島に対しては、本当に意地を見せなければいけないところだ。
その意味では、「監督と選手の間でも選手同士でもしっかり話し合いながらいろんな課題を修正できているので、自分たちもやりやすい」(六平光成)と、以前よりも選手たちが自分たちの課題として前向きに取り組むことができているのは明るい材料と言える。
清水の攻撃に関しては、ボールの動きは徐々に良くなってきているものの、しっかりと崩しきって決定機を作れている場面はまだ少ない。ここは一朝一夕で劇的に変わるものではないので、急に得点力が大幅アップするというのも考えにくい。ただ、天皇杯・札幌戦では、チームの2大エースである大前元紀とノヴァコヴィッチがそれぞれ良い形でゴールを決めているのは大きなプラス要素。スーパーサブの村田和哉は相変わらず好調を維持しているので、その2人が個人レベルで調子を上げてくるだけでも、得点力はかなり変わってくるはずだ。
対する鹿島は、前節の甲府戦では「パスミスだったり、判断ミスだったり、自分たちで自分たちの首を絞めていた。今日は良かったのは勝点3を取ったことだけ」(トニーニョ セレーゾ監督)と指揮官も怒りを見せたように、ホームで自分たちがサッカーができず、シュート数も7本にとどまった(今季の1試合平均は14.8本)。だが、それでもきっちりと相手の攻撃を無失点に抑えて勝ちきれるのは鹿島らしいところ。また、チームの中核に成長した22歳の柴崎岳が、ボランチながらここ4試合で3得点と高い得点力を発揮しているのも、チームにとって本当に頼もしいところだろう。
そうした両者のチーム状況から現実的に考えれば、清水としては打ち合いに持ち込んで勝てるとは考えにくい。やはり「守備のバランスを保って、簡単に失点しない戦い方をしなければいけない。それが自分たちが点を取るためにも大事になる」という大榎監督の言葉通り、まずは失点を抑える我慢強い戦いが必要になるだろう。当然、セットプレーでの失点もなくさなければならない。
ただ、「最近はやっぱり鹿島だなという感じになってきているし、今のJリーグの中でかなり難しい相手」と昨年まで鹿島にいた本田拓也が語るように、清水の選手たちには、辛抱強く、粘り強く戦わなければいけないという覚悟はできている。だから清水サポーターとしても、そういう戦いであることを理解し、最後まで選手たちに力を与え続けてほしい。
以上
2014.08.22 Reported by 前島芳雄