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[12.14 チャリティーマッチ 東北ドリームス12-8JAPANスターズ ユアスタ]
4年連続4度目の開催となった東日本大震災復興支援のチャリティーマッチ「日本プロサッカー選手会 チャリティーサッカー2014」が14日、宮城県仙台市のユアテックスタジアム仙台で開催された。
東北にゆかりのある選手で構成する「東北ドリームス」と、日本代表歴のある選手らで構成する「JAPANスターズ」の対戦。MF小笠原満男(鹿島)キャプテン率いる東北ドリームスが、FW武藤嘉紀(F東京)キャプテン率いるJAPANスターズに12-8で勝利した。
キックオフ時の気温1.3度、終了時はなんと0.5度。小雪の舞うユアスタには岩手、宮城、福島、栃木県から招待した約4000人を含む1万1475人が集い、両チーム合わせて20得点のゴールショーを堪能した。凍えるような寒さだったが、心は温まっていた。
「キャプテンだったし、チャンスがあれば決めようと思ってやった。ゴールするほどプレゼントも増えるので、できる限り狙った」。前半4分のJAPANスターズの先制点を皮切りに計3得点を決めた武藤が笑顔を浮かべる。ゴールが決まると、選手のサイン入りグッズと交換できるボールが投げ込まれるとあって、試合前から“ひと足早いクリスマスプレゼント”を意識してのプレー。狙いどおりのゴールショーにご満悦の表情を見せた。
ルーキーの武藤にとっては初のチャリティーマッチ参加だった。試合前、参加選手全員で「3・11」の記録ビデオを見て、試合の意義を再確認したうえで披露した数々のプレー。「被災地に来て肌で感じたことがあった。こういう試合に参加させてもらって、サッカー選手として何かを与えることができるということを誇らしく思った」と言う。
一方、勝利を収めた東北ドリームスにはプロ野球・楽天イーグルスの銀次内野手が昨年に続いて特別参加し、観客を喜ばせた。後半は実際にピッチに立って約13分間ほどプレーを披露。サッカー未経験者とは思えないボールタッチでPK、直接FK、そして流れからもゴールを決めてスタンドを沸かせた。「3打点もなかなかないのに3得点とは驚いている。会心のゴール? FKですね。僕も岩手県出身者として、野球を通じてもこれからも支援できるようにやっていきたい」と、こちらもしてやったりの笑みだ。
イベントの中心選手である岩手県出身の小笠原は、今夏に大規模な土砂災害に見舞われた広島のDF千葉和彦ともいろいろ話したと言い、「近年は土砂災害や大雪など、災害が多い。震災は忘れた頃にやってくるから防災の意識を高めないといけない」と訴える。「今回は自ら参加したいと手を挙げた選手が多いと聞いている。気持ちのある選手が多い。震災を風化させないよう、メッセージを発信していきたい」と最後まで真剣な表情で力説していた。
(取材・文 矢内由美子)