日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年4月7日金曜日
◆【高円宮杯プレミア展望/EAST編】最注目はFC東京U-18 昨季王者・青森山田は試練の年か(サッカーキング)
年間を通じたリーグ戦を育成年代にも導入しようと始まった高円宮杯U-18サッカーリーグ。その最高峰に位置付けられるプレミアリーグは全国をEAST(東日本)とWEST(西日本)の2ブロックに分割し、各10チームがホーム&アウェイの2回戦総当たり方式で年間1位を争う(と同時に、下位2チームが降格となる残留争いを演じる)。その上で東西王者が12月のチャンピオンシップにおいて真の日本一を懸けて激突するという流れだ。昨季はEASTを初めて制した青森山田高校が、チャンピオンシップでもWEST王者・サンフレッチェ広島ユースを撃破。初の栄冠に輝くこととなった。
今季のEASTはそんな青森山田にとって試練のシーズンとなる。優勝メンバーは過去3年にわたってゴールを守り続けたGK廣末陸(→FC東京)を筆頭に軒並み卒業。レギュラーは2名を残すのみという編成で、ディフェンディングチャンピオンというプレッシャーを初めて受けるシーズンへ挑むこととなる。プレシーズンの各大会では苦戦も強いられたが、新主将に指名されたDF小山内慎一郎、新10番のMF郷家友太を中心として徐々にまとまりも出てきた。3月に行われたサニックス杯国際ユース大会では結果こそ伴わなかったものの内容面では大きく改善されており、戦い方の方向性も整いつつある。さらに柏レイソルU-18からMF中村駿太、名古屋グランパスU18からMF住田将が“転校加入”し、選手層にも厚みが出てきた。超大型FW三国ケネディエブスなどポテンシャルのある選手は多数いるだけに、シーズンを戦いながら浮上していく可能性は十分ありそうだ。
一方、その青森山田に最後に競り負けて2位になったFC東京U-18は、昨季と同じくJ3リーグを戦うU-23チームと並行的な運用をしながらこのリーグへ挑む。プロの若手選手とU-18選手の混成で組まれたU-23チームに選手が引っ張られるため、このリーグでベスト布陣を組める機会は自然と少なくなる。「昨季始まる前はどうなることかと思っていた」という佐藤一樹監督の言葉は偽らざる心境だろうが、いざ始まってみれば選手たちがその難しさをポジティブに捉えて個々で成長。U-23を経験した選手が練習から高い強度のプレーを見せるようになるなど相乗効果も生まれ、チームとしての結果にもつながる好循環が生まれた。今季もその再現を狙いつつ、同時にあと一歩で届かなかったタイトルを狙うことになる。U-20日本代表へ超飛び級選出された15歳のFW久保建英に自然と耳目も集まるが、彼以外にも高いクオリティを持った選手が目白押しで今季も最注目チームの一つであることに疑いはない。
攻守に質の高いサッカーを見せて昨季3位となった市立船橋高校。卒業したMF原輝綺(→アルビレックス新潟)、DF杉岡大暉(→湘南ベルマーレ)はいずれも今季のJリーグで開幕スタメンを飾るなど、育成面でも大きな成果を残したことを印象付けた。ただ、それは新チーム始動後から残された選手たちに「どれほどあの二人に守ってもらっていたか」(GK長谷川凌)を痛感させることにもなっており、「特に序盤は難しいシーズンになると思っている」(朝岡隆蔵監督)という覚悟のシーズンとなる。U-18日本代表の左SB杉山弾斗や新たに10番を背負うMF郡司篤也など才能豊かな選手はいるものの、彼らが噛み合うまでには少し時間も必要になるかもしれない。
昨季4位の大宮アルディージャユース、同5位の横浜F・マリノスユースも主軸となっていた選手たちが多く抜けてのシーズン入りとなる。ただ、プレシーズンにおいて大宮のFW奥抜侃志、横浜FMのMF山田康太がそれぞれトップチームのキャンプや親善大会で結果を出すなど、力のある選手がいることを示した。奇しくも両チームは開幕戦で当たるだけに、まずそこで手ごたえを(できれば勝ち点3を)得られるかがポイントとなりそうだ。
一方、昨季6位の清水エスパルスユースは強力FW平墳迅を筆頭に選手が残った上に中学年代でタイトルを総なめにした期待の新1年生たちが加入して選手層に厚みが増した。昨季8位の鹿島アントラーズユースも中学年代で全国制覇をしている世代が最終学年を迎える勝負の年となり、飛躍の期待もかかる。昨季7位の柏U-18も下の年代から積み上げた持ち前の組織力に加え、U-18日本代表DF中川創ら個性のある選手が複数そろい、上位をうかがう。
昇格組の浦和レッズユースもハイレベルな選手が各ポジションにズラリとそろい、インテンシティを重視する大槻毅監督の指揮下で鍛え抜かれてきた成果も見える好チームで、昇格即優勝も夢ではないだろう。また今季WESTから“移籍”の京都サンガU-18の存在もEASTを盛り上げてくれそうだ。U-17日本代表MF福岡慎平を筆頭として2年生の人材が豊富だが、昨季負傷に泣いた新10番のMF財前淳ら3年生の奮起にも期待が掛かる。
今季は特に混戦も予想される。「とにかく厳しいリーグ」(鹿島ユース・熊谷浩二監督)であり、「落ちるのは非常に簡単なリーグ」(市立船橋・朝岡監督)であり、「ホントに1試合も気を抜けないリーグ」(FC東京・佐藤一樹監督)であるEASTは、観る側にとってはそれだけエキサイティングなリーグと言えるだろう。
文=川端暁彦
https://www.soccer-king.jp/news/youthstudent/20170406/572942.html?cx_cat=page1
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