鹿島の精髄 語録からみる常勝の極意 (単行本・ムック) / 田中 滋 編著
感覚も大切。中盤3人は「自信を持ってプレーすること」で生きる。
[キリンチャレンジカップ] 日本 2-0 パラグアイ/2019年9月5日/カシマサッカースタジアム
日本代表のFW大迫勇也がパラグアイ戦の23分、長友佑都のクロスに左足で合わせるボレーで先制点を叩き込み、チームの2-0の勝利に貢献した。大迫にとっては、2013年までプレーして以来、久々に古巣・鹿島アントラーズのホームスタジアムに立った。そこで出迎えた約3万人のサポーターの前で、挨拶代わりに決めたゴール。しっかりと結果を残すとともに、歓喜ももたらした。
「長友さんから良いボールが来て、当てることだけ考えて打ちました。1点取れてチームとして楽になれたので良かったです。(攻撃陣の連係について)距離感が良かった。カウンターからも良いチャンスがたくさんできて、距離感についてはすごく良かったかなと思います。(パラグアイについて)いい相手でしたね、パラグアイ。球際にしっかり来ていたので」
そのように再現性のある攻撃の形をしっかり構築し、先制点を挙げられたことを収穫に挙げていた。特に前線4人のユニットは、それぞれの特長を引き出し合える関係を築けてきたという強い実感を得られてきている。
「この4人で結構やってきたので、そこまで考えすぎず、さらに感覚的なところを合わせていければチャンスが自然と増えると思います。中盤の3枚は自信を持ってやること。そうすることが、一番、このチームでも生きると思う」
そして久々に踏んだカシマサッカースタジアムでのピッチ。”ホーム”で様々な感覚を取り戻すかのように日本のエースストライカーは永井謙佑と交代する67分まで躍動し、プレッシングもポストプレーも忠実かつ献身的にこなしてチームを支え続けた。
「鹿島を出て、6、7年経ちますけれど、今でもコンタクトがあり、僕にとっては特別なチーム。このスタジアムで点を取れて、気分的にも良く、また切り替えて、良い状態で次の試合ができると思います」
さりげなく、鹿島とは今なおコンタクトを取っている――しばらくはないとしても、もしかしたら将来の復帰もあるのか!? と思わせる一言(ちなみに『トランスファー・マーケット』によると、大迫とヴェルダー・ブレーメンは現在2022年6月まで契約を結んでいる)も。
もちろん、今は次の勝利を目指すのみ。大迫は「(課題を挙げるならば)3点目。それをしっかり取れるように。2-0だと相手に取られればバタバタしてしまうので、意識したいです」と、アジアカップ準決勝イラン戦(〇3-0)以来の日本代表での”ドッペルパック(1試合2ゴール以上)”達成にも意欲を示していた。
[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI
Topics:Yuya OSAKO scored 1 goal at the Kashima soccer stadium.