[4.17 J1第10節 徳島0-1鹿島 鳴門大塚]
鹿島アントラーズの相馬直樹新監督が就任初戦を白星で飾った。前節終了後にはザーゴ監督の解任に加え、新型コロナウイルスの陽性者も発生。指揮官は「監督交代もそうだし、コロナのこともあり、いまできることしかないというなか、短い時間で準備してきたことを選手たちが期待以上にやってくれた」と選手たちを称えた。
ボール支配率は徳島ヴォルティスに大きく上回られたが、セットプレーから奪ったDF町田浩樹の先制点を守り切って今季初の完封勝利。「守備の修正、整理が必要だと感じていた。どこで奪うかが迷いがあったので、全体で短い期間でまずやらないといけないことだった」。そんな取り組みが奏功しての白星だった。
相馬監督は「かなり苦しい時間帯もあったが、監督交代になってしまったことは自分たちにも責任があるという思いを今日のゲームに乗せてくれた。選手たちに感謝するばかり」と重ね重ね選手の奮闘を強調し、「ボールを握られる時間は非常に長かったし、うまくいかず剥がされる時間はあったが、お互いを助け合うところを出してくれた」と手応えも語った。
もっとも、ここまで3勝2分4敗の勝ち点11。クラブ創設30周年でタイトル奪還を至上命題に臨んだ今季だが、首位の川崎Fは2試合消化が多いとはいえ「数えてはいないくらい」(相馬監督)という勝ち点20の圧倒的な差がある。選手たちには「残り30試合、90ポイントある。何かを起こせないわけではない」と発破をかけていたという指揮官だが、「今の現実を見て、ここからのスタートだから全部勝っていけるわけではない」と冷静さものぞかせる。
それでも「1試合1試合を勝つために出し切って、やらずに終わってしまったということがないようにしたい」と力強い。テレビのフラッシュインタビューで次戦のことを問われて「次のことは考えていなかった」とも明かした相馬監督。まずは目の前の試合にすべてをかけ、白星を積み重ねていく構えだ。
◆「残り30試合、90ポイントある」相馬新体制の鹿島、初陣は堅守光る完封勝利(ゲキサカ)