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[10.11 国際親善試合 セルビア2-0日本 ノビサド]
試合後、ミックスゾーンに現れたDF内田篤人(シャルケ)は憮然とした表情だった。
「相手はW杯に出られないチーム。W杯に出られるということは大事だと思うけど、僕はシャルケでも『お前らはアジアだから(W杯に出られる)』と言われる。そういう言葉を覆したいと思っていた。そういうのは結果を出していかないと変わらない」
世界最速で5大会連続のW杯出場を決めた日本が、すでに予選敗退が決まっているセルビアに0-2で敗戦。アジア予選と欧州予選のレベルの違いが分かっているからこそ、周囲からもそう見られているからこそ、結果で日本の力を証明したかった。
後半14分にはセットプレーの流れから失点。ゴール前に放り込むと見せかけ、右サイドから細かくつないできてのゴールに「スカウティングの段階で相手がこっちの気をそらしてくるというのは頭に入っていた」と悔やむ。後半アディショナルタイムには前がかりになったところをカウンターで2失点目。「教科書どおりにやられた。セットプレーでやられて、カウンターでやられて」と首を振った。
6月のコンフェデレーションズ杯から続く守備の課題を解消できず、この日は攻撃面でもいいところがなかった。「2失点より無得点のほうが悔やまれる」と内田は言う。後半は日本がボールを支配する時間もあったが、DFブラニスラフ・イバノビッチ(チェルシー)、DFマティヤ・ナスタシッチ(マンチェスター・C)というプレミアリーグで活躍する両CBの牙城を崩せなかった。
「あと少しボールが届かなかったり、最後の質のところ。真ん中からサイドに散らして、そこからかな。真ん中は固いから。途中まではうまくいくけど、最後は固い。臨機応変にやらないと勝てない」。攻守両面で突き付けられた課題。埋めなければいけない世界との差はまだまだ大きい。
(取材・文 西山紘平)