日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年12月23日火曜日

◆[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.37]鹿島アントラーズユースFW色摩雄貴(2年)(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?154103-154103-fl

DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[12.20 Jユースカップ準決勝 鹿島ユース 3-1 清水ユース ヤンマー]

 ピッチに送り出されたのは、後半8分のこと。後半開始から一方的に殴られ続け、わずか2分前に同点ゴールを許したという最悪の状況下での投入だった。それは信頼の裏返しであることを、161cmの高速アタッカー・FW色摩雄貴(しかま・ゆうき、2年)はよく分かっていた。

 攻撃の切り札である色摩をこの状況に送り出すことは、「守りに入る気はないぞ」という熊谷浩二監督から鹿島アントラーズユースの選手たちへの強烈なメッセージでもあった。「色摩は縦に仕掛けるだけですから」と指揮官は笑うが、まさに勝負に出た用兵だったことも確かだ。

 本人が意識したのは、「みんなの気持ちを背負っている」こと。ベンチスタートだからこそ分かる試合に出ることの意味を意識して、走り回った。もともとテクニックと突破力で知られた選手であるが、ユース昇格後に磨いてきたのは「戦う」部分。「前は球際で引いていた部分があった。泥くさくゴールに入っていくとか全然できていなかった」と言うが、「引いていたら絶対に(試合へ)出してくれない」ことは、もう分かっている。出たら、引かない。戦う。そして、走る。

 相手DFが色摩に引っ張られていたこともあって生まれたDF寺門宥斗の2点目は、そうした姿勢の副産物だった。そして3点目は、まさに色摩の真骨頂だった。相手GKのフィードをDFが跳ね返したボールを拾ったのはハーフウェイラインを越えたところ。MF森主麗司のチェックをいなすと、そこからドリブルで一気に前進していく。続いて対応したDF田口雄太は巧妙な対応でディレイに成功。いったん減速を余儀なくされた色摩だったが、意表を突くタイミングでそこから急加速。田口をちぎって、突破するとニアへの走り込みを確認してクロス。MF平戸太貴による勝負を決める3点目をアシストしてみせた。

“色摩らしさ”を凝縮したようなアシストだったが、本人に満足感はない。本人が望むのは90分の仕事なのだ。「コンスタントに活躍できる選手になりたい」と語る色摩は、持久力の課題を自覚し、インターバル走に取り組むなどその克服に努めていると言う。発展途上のドリブラーが見せ付けた輝きは、どうやら進化の途中に過ぎないようだ。

(取材・文 川端暁彦)

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