日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年12月26日月曜日
◆羊に食いつかれると腹が立つ…鹿島に噛まれたレアルの強さ(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/12/25/kiji/20161224s00002000310000c.html
【鈴木誠治の我田引用】12月18日に行われたサッカーのクラブW杯決勝で、鹿島が素晴らしい試合を見せた。スター軍団のレアル・マドリードを相手に、後半7分に2−1とリードした。同15分に追いつかれるまでの8分間は、「見てはいけないものを見ているのではないか…」といった感覚の、現実味のない時間だった。
レアルは今季、欧州チャンピオンズリーグ、クラブW杯を制し、現在37戦無敗中。世界的に知られた名門クラブだ。専門家は、Jリーグ王者を見下していたが、後半7分に鹿島にリードを許すと、「本気」になったと分析した。
人は狼に噛まれることなら我慢できるが、羊に食いつかれると猛烈に腹が立つ
ジェイムス・ジョイス氏の小説「ユリシーズ」に出てくる言葉だ。自分の地位や自信を保つためだったり、単なる過信によって、他人を見下すのは、よくあることだろう。しかし、思わぬ抵抗を受けて、自信や過信を打ち砕かれると、想像以上の怒りと混乱を覚える。
「スター軍団を本気にさせた鹿島は、よく戦ったよね」
女勝負師のスゥちゃんに話し掛けると、またも答えは意外だった。
「そのレアルってチームは、最後まで見下していたと思うよ」
2−2のまま延長にもつれ込んだ試合は、レアルが2得点して4−2で終わった。
「見下していた相手にリードされてカーッとして、力任せに押さえ込もうとする。こんなはずじゃあと焦って、舞い上がる。そういう人は、それだけの実力しかない。レアルは、本気は出したけど、最後まで相手を見下した。それだけの自信を持てる練習をしてきたんじゃないかしら」
人が自分について語る作り話は、他人どもが彼について造り出す大がかりな法螺(ほら)に比べたら、恐らく物の数ではないのである
同じく「ユリシーズ」に出てくるこの言葉は、「自信」というものが、人が自らを装ってつくり出すものだとも読み取れる。そして、周囲がそれをもてはやせば、自信は過信として大きく膨らんでいく。スター軍団ならば、なおさらだ。
レアル・マドリードのジダン監督は試合後、こう話したという。
「ご覧のように苦しんだ。ただ、レアルの偉大さは、決して屈服しないことだ」
鹿島は、強かった。そして、レアルの名を恐れない戦いをした。あの8分間が証明している。だが、それ以上にレアルが強かった。彼らが持っている自信は、自分を大きく見せるためにつくられたものではなく、相手を見下し続けることができるような自信だった気がする。意味もなく人を見下すことは、もちろん、お勧めできない。ただ、勝負に限っては、揺るぎなく、自分の方が強いと信じ続けられれば、それは、大きな力になる。
◆鈴木 誠治(すずき・せいじ)浜松市生まれ。クラブW杯の前身、トヨタ杯の1985年の試合で、皇帝プラティニ(ユベントス)の幻のゴールを目の前で見たと、たまに自慢げに話す嫌な50歳。
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