[8.5 J1第20節 浦和2-2大宮 埼玉]
見ているだろうと思った。しかし、仲間は見ていなかった――。堀孝史監督の初陣となった浦和レッズは、前半26分にFW興梠慎三のPKで先制したものの、後半21分にMF宇賀神友弥とDF遠藤航の連係ミスから同点ゴールを献上してしまう。
自陣左サイドでFKを得ると、宇賀神は「セットしてロングボールばかりになっていたので、リスタートを早くして後ろでしっかりボールをつなぎたかった」とすぐさま中央の遠藤へのパスを選択。しかし、ボールを蹴る前に「航の事を一瞬見て、見た瞬間は行けると思った」と仲間の動きを確認していたはずが、「出したときには見ていなかった」。
一方の遠藤は「ポジションを取り直して、ゆっくり始めればいいと思っていた」とポジションを下げようと自陣ゴール方向に向かう。意思の疎通が図れていなかったため、宇賀神のパスは遠藤の後ろを通過すると、FWマルセロ・トスカーノに拾われてしまう。2人の守備体勢は整っておらず、MFマテウスへパスをつなげられると、左足の鮮やかなミドルを突きさされて試合を振り出しに戻されてしまった。
「審判の笛と同時に出した感じだった。まだ始まらないだろうという感じで、見ていなかった。もったいない失点」と遠藤が声を落とせば、宇賀神も「あってはならないミス」と唇を噛んだ。
(取材・文 折戸岳彦)
いたはずの航が…浦和MF宇賀神&DF遠藤、「あってはならない」痛恨の連係ミスで失点