Tokai Walker 東海ウォーカー 2019年 5月号 / Tokai W...
◆高校サッカー選手権 県大会決勝トーナメント最終日 ▽決勝 静岡学園6―1富士市立(16日・エコパスタジアム)
令和初の決勝は、静岡学園が富士市立を6―1と圧倒し、5年ぶり12度目の優勝を飾った。開始18秒、J1鹿島内定のMF松村優太(3年)が2戦連発となる先制弾。FW加納大(2年)が2得点、FW小山尚紀(3年)がハットトリックと攻撃陣が大爆発した。決勝での5点差は史上最多タイ、6得点は36年ぶりでMVPには松村が選ばれた。全国大会は18日に組み合わせ抽選、12月30日に開幕する。
優勝の瞬間、静学イレブンは雄叫びをあげ、ピッチに倒れ込んだ。小、中を含めて全国のピッチに立ったことがない松村も「今までずっと決勝で負け続けてきた。みんなが泣いていたので僕も涙が出てきた」と振り返った。
キックオフ直後から全開だった。敵陣右サイドで相手のパスを奪うと、切れ込んでペナルティーエリア内に。50メートル5秒8のスピードで守備を次々とかわし、左足を一閃(いっせん)。開始18秒、川口修監督(46)も「開始早々の得点はでかい。早過ぎる」とうなる先制弾だ。
本人も「こんなに早く得点したのは初めて」と驚く一撃で、テクニシャン集団が一気に流れに乗った。前半25分に加納が決めると、同33、34分に小山が2得点。後半も止まらない。加納の2点目に続き、小山はハットトリックを達成。加納は「先制が大きい。どんどん裏を狙おうという感じになって楽しかった」。松村も「大量得点できて、今年の中でも非常にいい試合だった」と話した。
この日、大学受験のため、DF中谷颯辰とMF草柳祐介(ともに3年)が欠場。ここまで貢献してきた2人の背番号5と19のユニホームを「2人の分まで全員で戦おう」とベンチに持ち込んだ。試合前日は宿泊先のホテルで「モチベーションビデオ」を全員で鑑賞。選手権決勝は2年連続で敗退し、新人戦も総体も準Vに終わった。頂点に届かない3年分の悔しさ、苦しさを凝縮した約9分の映像が終わると、「全員が涙を流していた」(MF井堀)。指揮官が「歴代の中でもトップ級のチームワーク」と話すように、全員一丸となって壁を突き破った。
今年は令和初、そして静岡サッカー100年の節目。10月の茨城国体で少年男子が8年ぶりに優勝したこともあり、全国選手権での王国復権への期待は大きい。松村は「1か月後に向け、わくわくしている」と胸を躍らせ、川口監督は「まだまだ伸びしろはある」と年末の戦いを見据えた。(山田 豊)
◆静岡学園 1966年創立の私立共学校。生徒数1024人(うち女子325人)。サッカー部は67年創部。部員数257人(1年生70人、2年生97人、3年生90人)。全国選手権は76年度に初出場で準優勝、95年度に初優勝。主なOBは日本代表MF大島僚太(川崎)、元同MF三浦泰年ら。同FW三浦知良(横浜C)も在籍した。
◆静岡学園、6発で5年ぶりV MF松村が18秒弾で乗せた「こんなに早く得点したのは初めて」(報知)