週刊新潮 2020年 5/28号 [雑誌]
〈鹿島本拠でPCR検査〉
そんなニュースが駆け巡ったのは今月7日のこと。鹿島アントラーズが、運営管理している本拠地カシマスタジアムでPCR検査を実施すると発表したのだ。
遡ること約2週間前、こんな記事が耳目を惹いた。
〈村井チェアマンが菅官房長官にクラブ施設のPCR検査会場利用を提案〉
4月21日のJリーグ理事会で村井氏が明かしたところによると、20日に首相官邸で菅官房長官と面会し、そのような提案をしたところ、菅氏は“ありがたい”と喜んだという。
ちなみに同月28日には、
〈200億円融資枠 Jリーグ合意〉
との報道もあった。Jリーグが三菱UFJ銀行等から融資を取り付けたことを報じたもので、コロナのせいで経営が悪化しているJ各クラブには福音である。村井チェアマン、ナイスゴール! と拍手を送りたくなるところだが、実はトントン拍子に実現したかに見える美談にはウラがあった。
「当初、銀行はJへの融資に難色を示していました」
とJリーグ関係者が囁く。
「そこで村井さんは菅官房長官に泣きついたんです。おかげでめでたく融資が実現したのですが、村井さんも手ぶらで官邸に行ったわけではありません」
その“手土産”こそが“クラブ施設でPCR検査”というプランだったのだ。
ただ、鹿島関係者曰く、
「我々の計画は、3月から市や医師会と進めていたもので、村井さんも菅さんも全く関係ありません」
どうやら、それを仄聞した村井氏が官邸への手土産に拝借した、ということらしい。いわゆる“ごっつぁんゴール”だ。そして、
「各クラブに相談を一切せず官邸に持ち込んだものだから、クラブ連中は“こっちは感染対策に苦労しているのにふざけるな”とカンカンです」(先のJ関係者)
村井さん、オフサイド!
◆クラブ施設を会場に Jリーグの「コロナPCR検査」協力にウラ話(デイリー新潮)