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J1 第3節 サガン鳥栖戦 マッチレビュー
鬼門・ベアスタで3ゴール!鹿島、3試合連続の完封勝利で単独首位に!
先週末、ホーム・カシマスタジアムでの初陣で仙台を2-0で破った鹿島が、早くも実現した首位対決に臨んだ。開幕2連勝同士の対戦でサガン鳥栖と激突し、青木と土居、そして豊川がゴールを決めて、3-0で快勝。3連勝で単独首位に立った。
鹿島は、開幕2試合と同じ11人がスターティングメンバーに名を連ね、アウェイでの一戦に臨んだ。鹿島は試合開始直後、鳥栖の豊田にシュートを許したが、曽ヶ端が横っ飛びで弾き出し、ピンチを脱した。鹿島は、出足の早いプレスを仕掛ける鳥栖に押し込まれたものの、集中力を高く保ち、身体を張った守備で応戦した。互いに球際での激しい競り合いを見せ、ファウルでプレーが止まる時間が多い展開となった一戦は、スコアレスのまま推移した。
そして41分、均衡を破ったのは鹿島だった。左サイド、タッチライン際でのFKを小笠原が蹴り込むと、中央の青木が頭で合わせてゴールネットを揺らす。鹿島がセットプレーから先制に成功し、1点リードでハーフタイムを迎えた。
後半に入っても、緊迫した展開は続いた。47分に小笠原が右足ボレーシュートを狙うが、枠の上へ。54分には、鳥栖のCKからゴール前で混戦となり、ゴールライン上での競り合いからボールを押し込まれたが、オフサイドの判定で、事なきを得た。
鹿島の追加点は59分に生まれた。昌子が最終ラインからロングフィードを供給し、最終ラインの背後でダヴィがボールを収める。ダヴィは左サイドを突破し、ペナルティーエリア内に進入して中央へグラウンダーのクロスを送る。詰めていたのは土居だった。フリーの状態で押し込み、今季初得点を記録。リードを2点に広げた。
スコアを2-0とした鹿島は、69分にPKのピンチを迎えたものの、豊田のシュートを曽ヶ端が完璧な読みでセーブ。得点を許さなかった。そして73分、鹿島は3点目を奪う。ダヴィが左サイドを突破すると、中央へクロスを送る。相手DFに当たったこぼれ球に、豊川が反応。右足を思い切りよく振り抜くと、強烈なボレーシュートがゴールに突き刺さった。
3点リードを奪った鹿島は、リーグ戦初出場となるルイス アルベルトやカイオ、そして中田を投入。選手交代でテコ入れを図り、鳥栖に最後まで得点を許さなかった。試合は3-0で終了。鹿島がリーグ戦で初めて鳥栖を破り、3連勝で単独首位に立った。
次戦は、19日のヤマザキナビスコカップ、FC東京戦だ。大会は変わるが、リーグ戦での勢いそのままにアウェイで勝利を収めたい。
【この試合のトピックス】
・リーグ開幕3連勝は、2008年以来6年ぶり。
・先制点の青木は、昨年の第32節に続いて鳥栖戦で得点を挙げた。
・3試合連続で先発出場の豊川が、公式戦初ゴールを決めた。
・ルイス アルベルトが79分に、カイオが82分に途中出場。リーグ戦初出場を果たした。
・新加入の杉本が公式戦初のベンチ入りを果たした。
・リーグ戦での3試合連続完封は、2009年以来。前回は、10月17日の第29節ジュビロ磐田戦から11月21日の第32節京都サンガF.C.戦まで、4試合連続で無失点に抑えている。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・何よりも自分たちの形をより長い時間持続すること。
・球際は、もっとアグレッシブに。セカンドボールは、すべてマイボールにしろ。
・戦う気持ちを忘れるな!後半の立ち上がりはしっかり入ること。
サガン鳥栖:尹 晶煥
・相手の前線からプレッシャーにより、攻撃を急ぎすぎているので、気を付けること。
・ボールを奪った後の動き出し、サポートをもっと早くすること。
・ボランチは下がりすぎすぎずにサイドからの攻撃に厚みを出すこと。
・チャンスは必ず来るので、確実に決めよう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(1点目を取るまで、鳥栖にセカンドボールを拾われていたが)立ち上がり、チームとしての(試合への)入り方が悪かった。開始20秒くらいでシュートを打たれたし、そこで、キャプテンの小笠原が『しっかり競らなくてはいけない、戦わなくてはいけない』ということを言ったり、僕自身がタッチライン際で選手たちに指示を出して、集中力を高めさせたという部分があった。鳥栖がロングボールを蹴ってセカンドボールを拾って、という形でやってくることには対策を練っていた。あとは、集中力や注意力というものをしっかりと入れていかなければいけない。それができたところから、両チームの良いサッカーが出たと思う。鳥栖とアントラーズは、常に相手ゴールを目指すので、観る側にとっては、非常に面白い試合になるのではないか。結果としては良かった。
・(小笠原、曽ヶ端といった経験豊富な選手の存在の大きさについて)ベテランが声を出して若い選手が走る。というのは冗談だが、そういう形になっていけば、良い方向に向かっていくと思う。当然ながら、彼らの経験や責任というものも非常に高いと思う。彼らのチーム内のウェイトは非常に高い。
・タフな戦いの立ち上がりだった。それを見事にコントロールしたのがレフェリーだった。今日は非常に、ゲームコントロールをしっかり、うまくやってくれた。少し危なくなるような部分も、気持ちの部分も抑えて、サッカーに専念してほしいというメッセージを出してくれて、両チームのすばらしいサッカーが示された試合だったと思う。
・(若い選手を起用している中での手応えは)技術的な部分では、まだ未熟なところはあると思う。ただ、指導していく甲斐がある。スポンジのように吸収してもらえるし、やりがいがある若手だと思う。練習で積み重ねた部分がいろいろなところで凝縮されている。まだ、もう少し良くすることはできると思う。就任当初、要望されたのは、チームを若返らせてくれということ。その意味で、徐々にやっていかなければならないプロセスだ。
・(開幕3連勝)僕自身だけでなく、フロントと力を合わせてやっている作業。主役は選手たちだから、選手たちがやっている3連勝だと思う。
サガン鳥栖:尹 晶煥
立ち上がりから非常に良い雰囲気と流れで試合に入ったが、その中で、気をつけていたセットプレーで失点したことによって、整っていたものが少し崩れ始めた。アントラーズのプレッシングは90分間を通して、強いものがあった。選手たちがそれに圧倒された。早坂や谷口が前節に見せてくれていた活発さが欠けていたので、選手交代でそこを変えたいという意図があったが、その中で豊田にもPKのチャンスがあって、そこで決めていればまた、雰囲気を持ってくることができたとも思う。それはそれで、サッカーの中で起こりうること。結果を受け止めて、また次に向けた準備をしっかりやっていきたい。我々のサッカーは決してぶれることはない。まだ時間があるから、またしっかりと整えて準備をして、次に向けてやっていきたい
選手コメント
[試合後]
【曽ケ端 準】
(PKは)最初、逆に飛ぼうかと思ったが、ダヴィが反対を指差していた。その後の岳のカバーも良かったし、3点目も決まって流れも良かった。球際も強くいっていたし、途中から入ったルイスも良くやっていた。後半は日差しと風の影響もあり、難しかった。
【青木 剛】
Jリーグで勝つ事が出来なかった鳥栖にアウェイで勝てたのが、良かった。鳥栖は前線にロングボールを入れて、セカンドボールを拾う事を徹底してやってくる。それに対し、しっかり練習から取り組んでいた。ハードワークして走ってくるので、それに負けずにやる意識はあった。(先制ゴールは)満男さんから良いボールがきた。練習から監督が情熱を持ってやっているので活かされたと思う。
【土居 聖真】
(ゴールは)美味しいとこ取りだった。でも、そこにいたから決められたと思う。誰が決めても、ゴールはゴール。全員の1点だと思っている。チームを助けられる仕事が出来て良かった。これを1年間、通してやっていかないといけないと思う。鳥栖は、それほど球際に強く感じた印象はない。こちらもフリーの場面もあったし、相手の間と間で簡単にはたけていた。守備の人は本当に大変だったと思うけど、ゴールという形で返せて良かった。
豊川選手、小笠原選手、カイオ選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。