http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20141028-OHT1T50046.html
サッカーJ1首位・浦和のエースFW興梠慎三(28)が27日、埼玉県内の病院で検査を受け、右腓(ひ)骨骨折と診断された。今季中の復帰を目指してリハビリを進めるが、全治は未定。残り4試合で2位・G大阪とは勝ち点3差。今季12得点を挙げている不動の1トップの痛すぎる離脱で、8年ぶりのリーグ優勝へ暗雲がたれ込めてきた。
浦和に衝撃が走った。26日の鹿島戦(カシマ)で相手DFと接触し、右すねを強打。後半41分に担架で運び出されて交代した興梠の右腓骨骨折が判明した。クラブは「今季中の復帰を目指してリハビリを進めていきます」と説明したが、この日は自宅で静養し、現時点で全治や練習再開時期は未定。11月3日の横浜M戦(日産ス)は欠場し、残り3試合での復帰も微妙だ。
優勝争いの土壇場で、得点源を失った。今季リーグ全30試合に先発する不動の1トップ。代役が濃厚なFW李忠成(28)も6得点を決めているが、背番号30はリーグ5位タイ、チームトップの12得点で首位快走の原動力となっていた。腓骨は膝から足首にかけての2本のうち、外側の細い骨。サッカー選手に多く、一般的に全治は1~3か月という。12月6日の最終節まで1か月強。数週間で復帰した例もあるが、浦和では05年に田中達也(現新潟)が約半年間、10年に山田直輝が5か月間離脱している。
11月22日には、勝ち点3差に迫る2位・G大阪との天王山が待つ。3月1日のリーグ開幕戦ではG大阪がFW宇佐美を負傷で欠き、浦和が1―0の完封勝利を収めた。しかし、興梠の復帰が間に合わなければ、今度は浦和が逆に苦しい立場に置かれることになる。
チームには過去2年、守備の崩壊などで終盤戦に勝ち切れず、優勝を逃した苦い記憶がある。クラブスタッフは「ウチの得点源。何とか今季中に戻れるように、全員でサポートしたい」と祈るような表情を浮かべたが、今年はエースの離脱という形で訪れた試練。選手にはこの日の練習後、離脱が伝えられた。悲願のVへ、底力が問われる。
◆浦和の過去2年のV逸 ペトロヴィッチ監督が就任した12年は、前年の15位から立て直し、優勝争いを展開。第27節終了時点で首位に勝ち点5差の3位だったが、28節でJ2降格の決まっていた札幌に1―2で敗れるなど1分け3敗と失速。3位でACL出場権は確保したが、優勝した広島とは同9差だった。昨年は29節終了時に首位の横浜Mと同2差の2位。しかし、残り4試合で15失点と守備が崩壊。ラスト3試合で3連敗を喫し、6位に転落した。