日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年8月13日火曜日

◆南葛SC青木剛 インソール店と二足のわらじの理由(ニッカン)



青木剛 Takeshi.Aoki


(新)のぼり旗 ソースカツ丼 前橋名物 (全国特産品・ご当地品/関東)


元鹿島アントラーズで、現在は東京都社会人リーグ1部南葛SCでプレーするMF青木剛(36)が今年5月、鹿嶋市内にインソール専門店「アシスタート」(鹿嶋市宮中2029-1)をオープンさせた。自ら店長として店頭に立ち、経営も行っているという。サッカー選手と店のオーナー、「二足のわらじ」生活を送る青木を訪ねた。

◇ ◇ ◇

鹿嶋市役所にほど近い店に入ると、Tシャツ姿の青木が出迎えてくれた。学校の教室より一回りほど小さい店内には、既製品のインソールやスパイクが並ぶ。ここが、青木の“昼の職場”だ。

現役サッカー選手でもある青木が、なぜインソール専門店を構えるに至ったのか。きっかけは、15年前にさかのぼる。

◆地元のインソールメーカー「BMZ」

高卒で鹿島に入団した青木を悩ませたのはケガだった。度重なる捻挫と、プレーできないほどの腰痛が、プロキャリアを歩み始めたばかりの若武者を襲った。「今思えば、足元の環境が良くなかった」と当人は振り返る。

そんな折、地元群馬の知人に紹介されたのが、群馬に拠点を構えるインソールメーカー「BMZ」だった。04年ごろから同社のインソールを着用し始めると、繰り返していたケガがうそのように減っていった。以来大きなケガをすることなく、36歳の現在まで現役生活を続けている青木は「インソールと出会ったから、ここまでサッカーを続けられたと言っても過言ではない」と話す。

青木いわく、足元の環境が悪いと、膝や足首、筋肉など、その人によってさまざまな箇所に影響が出るという。青木の場合は、足首と腰だった。インソールは、選手生活を続けるうえで欠かせないものになっていった。

◆足本来の機能を引き出すインソール

「アシスタート」では、このBMZ社の製品のみを扱っている。同社のインソールは、一言でいえば「足本来の機能を引き出すインソール」(青木)。足の甲の外側=薬指と小指の付け根付近にある「立方骨」という骨を支え、土踏まずにアーチを作ることで、足の指に力を入れやすくするという。足の指が使えないと体重が後ろに乗ってしまい、動きだしや姿勢が悪くなる。また足の指ではないところに負荷がかかることで、ケガのリスクが発生するという。

客層は、アスリートと一般の方が半々。女性のヒール用や男性の革靴用のインソールも販売しており、価格は既製品で2000円~1万円。オーダーメードだと、素材により1万円~5万円まで幅広く用意している。

◆一時は現役引退視野も、充実の「二足のわらじ」生活

実は18年末にロアッソ熊本を退団した際、青木は引退を視野に入れていた。「次の仕事はどうしよう」。悩んだ末に出した答えが、「自分の選手生活を支えてくれたインソールをお伝えする仕事」だった。そんな折、南葛SCからのオファーが舞い込む。現役を引退して店の経営に専念する選択肢もあったが、「Jリーグ入りという夢があり、自分を必要としてくれるチームだった」と入団を決意。覚悟を持って「二足のわらじ」生活に飛び込んだ。

社会人リーグに所属する南葛SCは、ほとんどの選手が仕事とサッカーを両立させている。選手が仕事を終えてから参加できるよう、練習はいつも夜。青木も日中は店頭に立ち、夕方になると店を閉め、往復2時間かけて“夜の職場”である南葛SCの練習場に向かう。

忙しい日々にも、青木の表情からは充実感が漂う。

「昼に仕事をしたら夜は疲れて休みたいはずなのに、それでも練習場に集まって、みんながサッカーを楽しんでいる。みんな純粋に、サッカーが好きなんだなと伝わってくる。刺激になります。将来的にはJリーグを目指しているチームだし、今年は昇格という明確な目標があるので、やりがいがある。違う仕事をしながら、挑戦のしがいがあると思います。うまく両立したいです」

取材に伺った日も、「このあと練習です」と笑いながら見送ってくれた。新たな目標を見つけて、二足のわらじで充実の日々を過ごしている。

◆杉山理紗(すぎやま・りさ)1993年(平5)10月4日生まれ、岐阜県出身。入社4年目、19年鹿島担当。















◆南葛SC青木剛 インソール店と二足のわらじの理由(ニッカン)





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