
日刊鹿島アントラーズニュース
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2020年11月7日土曜日
◆横浜F・マリノス対鹿島アントラーズで輝いた2人のクロス。地味だが効果的な職人芸とは?【西部謙司のJリーグピンポイントクロス】(フットボールチャンネル)

明治安田生命J1リーグ、横浜F・マリノス対鹿島アントラーズが3日に行われ、2-3で鹿島が逆転勝利を収めた。この試合で光っていたのはサイドでプレーする水沼宏太(横浜FM)と永戸勝也(鹿島)。今回は2人のクロスボールに詰まった技術の高さにフォーカスする。(文:西部謙司)
水沼宏太の多彩なキック
前倒し開催の第31節、横浜F・マリノス対鹿島アントラーズは鮮やかなゴールの競演だった。横浜FMが2点を先行したが、鹿島が3点を返して逆転勝ちしている。
先制点は小池龍太の低いクロスボールに水沼宏太がDFと競りながら合わせたもの。2点目は水沼のクロスを起点にエリキが決めている。
4-2-3-1の2列目右サイドで先発した水沼のクロスボールは、ことごとく際どい場所をついていた。低いボール、フワリとした浮き球、曲がりながらワンバウンドで届くボールなど球種は多彩だ。
今季はすでに7アシスト。西澤健太(清水エスパルス)の10アシスト、江坂任(柏レイソル)の8アシストに次ぐ3位。マテウス(名古屋グランパス)、清武弘嗣(セレッソ大阪)と並んでいる。ただ、トップ3の中では22試合と水沼は出場試合数が少なく、プレー時間あたりのアシスト数ではトップになる。132分間に1アシスト。およそ2試合プレーすれば1アシストはしている。
外へ開いてパスを受け、点になりそうな場所へ精度の高いパスを供給する。キックに安定感があり、まさにクロッサーというタイプである。
父親の水沼貴史さんは、現役時代に加茂周監督(日産自動車)に「インステップキックのスペシャリスト」と評されていた。ちなみにインフロントでカーブをかけるキックのスペシャリストは木村和司さん。水沼宏太は両者の中間という感じである。
どこへボールを送れば得点になるかを見極める目があり、そこへ最適のボールを届ける技術がある。止めて蹴る、シンプルなプレーだが職人芸だ。
永戸勝也のキック力
鹿島の3ゴールは上田綺世のスーパーゴール、エヴェラウドのカットインからのパワーショット、遠藤康のボレーシュートのゴラッソ3連発。アシストにはならなかったが、左SB永戸勝也のクロスボールも光っていた。
永戸はベガルタ仙台でプレーした昨季、J1最多アシストを記録した。左足のキックにパワーがあり、それが意表をつくラストパスになっている。
得点にはならなかったが、ほぼタッチライン際からGKとDFの間のスペースへ走りこむ上田を狙った低いクロスは永戸らしかった。あの距離からあの場所を狙うのは、ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)ぐらいではないか。キック力で、あるはずの距離をなかったことにしてしまう。相手にとっては予想外のクロスだ。
クロスボールが得点につながるのは、古今東西を問わない。DFにとってはボールとマークを同一視野に収めにくく、至近距離からのダイレクトシュートはGKにとって防ぎにくい。人体の構造が変わらないかぎり、有効なラストパスであり続ける。
クロスの出し手はFW(ウイング)からMFのクロッサーに代わり、現在は主にSBの仕事になっているが、クロスの有効性は変わらない。ただ、ポジションが後方になったことでより運動量が求められるようになった。水沼と永戸のポジションは違うが、どちらも豊富な運動量でサイドの攻守を支えている。
スナイパーの一撃は華麗だが、それ以外の仕事は意外と地味で重労働なのだ。スペシャリストであるためにはハードワーカーでなければならない。古いファンからすると、なんだか世知辛くなった気もするが、それが現代サッカーというものではある。
(文:西部謙司)
【了】
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