日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年5月19日木曜日
◆[SUWON JS CUP]U-19日本代表はフランスに敗れて黒星発進、MF堂安律が伝えたかった「熱」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?189788-189788-fl
[5.18 SUWON JS CUP第1戦 U-19日本代表 1-3 U-19フランス代表 水原ワールドカップスタジアム]
もったいない3失点だった。SUWON JS CUP(韓国)初戦に臨んだU-19日本代表は格上のフランスを相手に、完全に飲み込まれる形で前半24分までに3失点。同40分にFW堂安律(G大阪)のパスからFW垣田裕暉(鹿島)が決めて1点返したものの、1-3で初戦を落とした。黒星スタートとなった日本だが、この試合で気を吐いたのが、アシストを記録した堂安だった。
「何とか流れを変えたかった。だからこそドリブルで積極的に仕掛けて、より前への推進力を出そうと思った」。
いきなりの3失点で、完全に浮き足立ってしまったチームに対し、彼は得意のドリブルで相手陣内に積極果敢に切れ込んでいった。それに対し、徐々にフランスDFは彼の独特のリズムを刻むドリブルに警戒するようになり、守備のバランスを崩して行く。
40分、右からのドリブルで中に切れ込んだ堂安は、フランスのCBが食いついた瞬間を見逃さなかった。「最初は自分で行こうと思ったし、行けたと思うのですが、相手のCBが上手く食いついてくれたことで、垣田がフリーになったので、より確実なプレーを選択した」と、垣田へ正確なラストパスを送り込み、日本は2点差とした。
このゴールで流れは変わった。後半に入ると堂安はさらにギアを上げて仕掛けて行く。13分に相手のフィジカルコンタクトを物ともせずに、ドリブル突破を仕掛け、17分にはMF高木彰人(G大阪)の突破のこぼれを素早くカバーして拾い、そのままドリブルシュートを放つ。21分にも右からカットインして左足シュートを放ち、22分にはDFに囲まれながらもドリブル突破を仕掛けて相手のファールを誘い出し、絶好の位置でFKを獲得した。いずれもゴールには至らなかったが、彼の仕掛けは日本にリズムをもたらした。
「1対1、1対2は打開出来る自信はあるので、強気で行きました。それに周りにも『熱』を伝えたくて、激しいプレーも厭わないで戦いました。後半はそれなりに戦えたからこそ、最初の24分間が本当にもったいなかった。まだ自分達の中でスイッチが入れられないし、後手に回るからやられてしまう。それが自分達の弱さだと思う。でも、これはアジアの予選ではあり得ないことなので、そこは危機感を覚えています」。
自身はU-16日本代表の時に、U-17W杯出場をかけたAFC U-16選手権で敗れた悔しさを経験している。同じ轍を踏まないためにも、強豪と戦える貴重な場で、臆すること無く積極的に戦う姿勢を示そうとした。
「ゴールを決めていないので、この負けの責任は自分にあると思っています」。
悔しさと危機感。この2つを噛み締めてスタジアムを後にした堂安律。だが、彼のプレーの『熱』は、確実に周りに伝わったはずだ。
(取材・文 安藤隆人)
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