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天皇杯準々決勝 鹿島1―0広島(2016年12月24日 カシマ)
天皇杯準々決勝4試合が24日に各地で行われ、6大会ぶりの優勝を目指す今季Jリーグ年間王者の鹿島は、ホームで広島を1―0で下した。リードして迎えた後半18分、GK曽ケ端準(37)がPKをセーブ。守護神が準優勝に輝いたクラブW杯での活躍に続き、チームの窮地を救った。川崎FはFW大久保嘉人(34)が移籍先であるFC東京から先制ゴールを奪い、2―1で勝利。ほか横浜、大宮が4強入りした。準決勝は2試合は29日に行われる。
「ソガ神様」が、またチームを救った。1−0の後半18分に迎えたPKのピンチ。1メートル85のアンデルソン・ロペスの前に立ちはだかったGK曽ケ端のオーラは、完全に相手をのみ込んでいた。コースを読み切って右に跳んだ。「はじいた位置は悪かったですけど、その後のユキ(伊東)の反応は早かった。チームのディフェンスに対する意識に凄く助けられた」。大仕事を果たした37歳は自身の活躍よりも、はじいた球をクリアしたDF伊東らに感謝した。
決勝でレアル・マドリードに善戦したクラブW杯では好セーブで日本中を沸かせた。南米王者のAナシオナルとの準決勝では驚異の92・9%というセーブ率で試合のMVPに選出された。11日間で4試合した激戦の疲れが消えない中でも集中力を発揮。PKを与えてしまったDF昌子は「(シュートが)入る感じがしなかった」と感謝しながら振り返った。
37歳の大ベテランは“主役”となることを極力嫌う。クラブW杯中はどんなに活躍しても「僕が目立たない方がチームとしてはいい」と言い続けた。この日も勝利の立役者は間違いなく曽ケ端だったが、「いくら止めても点数が入らないことには勝てない」と仲間を立てた。
小笠原と並ぶチーム最年長。最後尾から放つ眼光は鋭いが、ピッチを離れれば良きパパだ。いつも試合後には、スタンドの家族に手を振る。12月24日のクリスマスイブに試合をするのは、19年間のプロサッカー人生でも珍しく、「クリスマスにサッカーができるのは素晴らしいこと」とほほ笑んだ。国内19冠目のタイトルまで残り2勝。サポーターへこれ以上ないクリスマスプレゼントを届けた守護神は「どんなに長くてもあと10日。自信を持ってやりたい」と頂点を見据えた。