日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年5月1日月曜日
◆2017明治安田生命J1リーグ 第9節(オフィシャル)
J1第9節 vs鳥栖
昌子のヘディング弾がホーム通算800得点目!鹿島が鳥栖を撃破、カシマで逆転勝利!
鹿島がホームで会心の勝利を収めた。J1第9節、カシマスタジアムにサガン鳥栖を迎え撃つと、23分にPKから先制点を奪われたものの、5分後に金崎がPKを決めて同点に。そして41分、昌子がヘディングシュートを突き刺して逆転に成功した。後半は追加点こそ奪えなかったが、鳥栖に反撃を許さずにリードを守り切った。2-1。聖地に歓喜の歌声が響き渡った。
鹿島は26日、AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第5節で蔚山現代FCに4-0と快勝。アウェイでの大一番でゴールラッシュを見せ、1試合を残して決勝トーナメント進出を決めた。金崎とペドロの2トップが揃い踏みを果たし、レオ シルバがワールドクラスのミドルシュートを沈めた充実の90分。敗れれば崖っぷちに追い込まれる可能性もあったビッグマッチを制し、力強くラウンド16へ歩みを進めた。
試合翌日の夕方に帰国したチームは、さっそく28日からトレーニングを再開した。ミーティングをした後、午前練習を実施。2日間の準備期間で、ホームでの勝利へと向かう。今季、カシマスタジアムでのリーグ戦は1勝3敗。不甲斐ない成績と向き合った永木は「鳥栖戦はとにかく勝たないといけない。ホームで全然、勝てていない。サポーターもたくさん観てくれているし、勝ちたい」と勝ち点3への強い思いを明かしていた。
試合前日のトレーニングでは、数々の横断幕やフラッグがチームを鼓舞した。“ともに戦う”という思いを強いメッセージに込めた背番号12が、選手たちの闘志に火をつける。昌子は「来なかった人が悔しがるような試合をしたい」と、充実の内容と結果を残すことを誓っていた。
「蔚山戦で良い戦い方ができていたので、大幅にメンバーを変えずにやりたいと思っている」と語っていた石井監督は言葉通り、2試合連続で同じ先発11名をピッチへ送り出した。GKはスンテ、最終ラインは右から西、植田、昌子、山本の4人が並ぶ。ボランチは永木とレオ、2列目には遠藤と土居、そして前線は金崎とペドロのコンビ。そしてベンチには、GKの曽ケ端、伊東、レアンドロ、三竿健斗、小笠原、鈴木、金森が並んだ。試合登録全18選手が前回と同じ顔ぶれ。指揮官は良い流れを継続することを狙い、メンバーを変更せずに臨んだ。
ゴールデンウィーク唯一のホームゲームは、穏やかな青空に恵まれた。フットボールのある週末、その喜びがスタジアムに満ちあふれる。ウォーミングアップに向かう選手たちに降り注がれた大きなチームコール。聖地で勝利を掴むために、背番号12は試合前から選手たちを鼓舞し続けた。
16時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。石井監督が「立ち上がりのことは常に言っている。90分間通して安定した戦いをしていきたい」と抱負を語っていた通り、鹿島は高い集中力で開始早々から積極的に攻勢をかけていく。金崎が両サイドへ流れて起点を作り、背後を狙う動きで鳥栖の最終ラインを押し込んでいった。3分には金崎がワンツーで右サイドを抜け出し、クロス。中央でクリアされたものの、鮮やかな連係から得点の可能性を感じさせた。
ボールポゼッション率で鳥栖を圧倒した鹿島は、時折訪れるカウンターのピンチにも、レオと永木が激しいプレスを連発して鋭いボール奪取を繰り返していく。植田はエアバトルで抜群の高さを見せ、昌子は突破を図る相手に対して1対1での圧巻の強さを示す。チームを救うカバーリングで、攻撃の芽を摘んでいった。
鹿島は19分、昌子の縦パスから金崎のポストプレー、ペドロとの連係でペナルティーエリアへ。鮮やかな中央突破から遠藤がボールをキープし、後方の永木が右足を振り抜いてミドルシュートを放つと、相手DFに当たったボールを拾った金崎が左足でゴールネットを揺らした。しかし、判定はオフサイド。得点は認められなかった。
得点の予感を次第に高めていった鹿島だが、落とし穴が待っていた。21分、相手の縦パスに反応して競り合いながら並走した昌子の手にボールが当たり、ハンドの判定。鳥栖にPKが与えられた。豊田に豪快に決められ、均衡を破られてしまった。
今季のリーグ戦、1勝3敗のホームゲーム。またもビハインドを負う展開となり、嫌な雰囲気が聖地を包む。しかし、情熱を注ぎ続ける背番号12とともに、鹿島は勝利への強い意志で苦境を乗り越えた。チームを救ったのは鋭い突破を繰り返して鳥栖の脅威となり続けた土居。27分、ペナルティーエリア左側からのドリブルで果敢にカットインすると、相手DFに倒されてPKを獲得した。極めて重要な意味を持つ絶好機、キッカーを務めるのは金崎。背番号33は正確無比の一撃をゴール右隅へ沈めた。1-1。鹿島が失点からわずか5分後に同点に追い付いた。
ボルテージを高める背番号12ともに、鹿島はさらに攻勢をかける。30分以降はオープンな展開となったが、昌子やレオが相手のカウンターをことごとく阻止し、セカンドボールを確保して敵陣に押し込んでいった。
そして41分、カシマスタジアムが沸騰する。遠藤が蹴った左CK、願いを乗せて送られたボールに飛び込んだのは、背番号3だった。昌子源、強烈なヘディングシュート。ともに戦うサポーターと人一倍の熱量で向き合い、選手会長としての責任を背負い、共闘を誓ってピッチに立ったチームリーダーが、値千金の逆転ゴールを記録した。リーグ戦におけるホームゲーム通算800得点目となる節目の一撃。PKを与えて失点を招いた昌子が、自らの力でチームを逆転へ導いた。2-1。鹿島が1点リードで前半を終えた。
2-1で迎えた後半も、鹿島は立ち上がりから追加点への意欲を示す。47分にはペドロがスピードに乗った中央突破から鳥栖ゴールに迫り、49分には土居がペナルティーエリア左側から切れ味鋭いドリブル。角度のないところから左足で狙ったが、わずかに枠を逸れてしまった。
52分、60分と早いタイミングで選手交代を敢行し、反撃を期す鳥栖に対して、鹿島はここが球際で粘り強く戦い続け、しっかりと応戦していった。クロスボールを上げられる回数は増えたが、スンテが安定感抜群のセービングでゴールマウスに鍵をかける。鳥栖にボールをキープされる時間が長くなっても、選手たちに焦りはなかった。相手の攻勢を受けた後は、落ち着いてパスを回してリズムを整え、流れを引き戻していく。
石井監督は69分にレアンドロを投入し、土居を右サイドへ配して中盤を活性化。3点目を奪うには至らなかったが、77分にはペドロからレアンドロへのスルーパスで可能性を感じさせた。さらに83分にはレオが高速スルーパスを通し、スプリントをかけて追い付いたレアンドロがゴールライン際から折り返す。相手GKに阻まれてしまったものの、惜しいチャンスを作り出してみせた。
1点リードのまま、試合は終盤へ。石井監督は85分に健斗、後半アディショナルタイムには鈴木を投入し、陣形を整えながら時計の針を進めていく。ともに戦う背番号12もまた、最後の最後まで大きなチームコールを送り、戦い続けた。そして鳴り響いた、勝利を告げるホイッスル。2-1。鹿島が今季のリーグ戦、ホームでの2勝目を収めた。週末のリーグ戦では、昨年9月以来となる歓喜の時。アントラーズレッドの歌声が聖地に響き渡った。
勝ち点を18に伸ばした鹿島は次節、首位・浦和との大一番に臨む。今節の結果、勝ち点差はわずかに1。チャンピオンシップ以来となる激突は、リーグ前半戦の山場とも言えるビッグマッチだ。中3日で迎える、宿敵とのアウェイゲーム。チームは明日のリカバリートレーニングから、勝利だけを目指して準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・リーグ戦におけるホームゲーム通算800得点に到達した。41分に昌子が決めたヘディングシュートが、節目の一撃となった。昌子にとっては今季のリーグ戦初得点だった。
・金崎がPKを決め、公式戦2試合連続得点を記録した。
・今季のリーグ戦、ホームゲームで2勝目を挙げた。
・J1でのホーム鳥栖戦は2015年以来、3連勝となった。
・週末に行われたリーグ戦のホームゲームでの勝利は、昨年9月17日のJ1 2nd 第12節磐田戦以来だった。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・スコアラインは忘れろ。後半も0-0の気持ちで入ろう!
・サイドチェンジのテンポをあげて攻撃を組み立てていこう。
・点をとるためにも、もう一度しっかりした守備を意識しよう。
サガン鳥栖:マッシモ フィッカデンティ
・チャンスは必ず来るのでやり続けること。
・ボールを持った時にチーム全体で動くこと。
・とにかく冷静になること。
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
なかなかJリーグのホームゲームで勝てていなかったなか、やっとスタジアムに来てくれたサポーターの皆さんと喜ぶことができて、本当によかった。前半はPKで失点したが、チーム全体が落ち着いてプレーしていた。前半で逆転できたが、後半は0-0という気持ちで入らなくてはいけないと話した。後半の立ち上がりはいい形とはいえなかったが、しっかり90分間耐えることができて、勝ち切れてよかった。ACLでいい試合をして、今日のホームゲームで勝つことが重要と考えていた。この勝ちはチームにとって非常に大きな1勝となった。ACLから期間が短かったが、今日、選ばれた18人だけではなく、それ以外の選手の練習に取り組む姿勢が非常によかった。それが試合に出た選手にも伝わったと感じている。
Q. ACLと同じスタメンを選んだ意図と、プレーの評価は?
A. 今までの流れ、ACLからの流れ、ホームゲームで勝てていないという流れがあった。ACLの蔚山戦では非常にいい形で勝てたので、そのメンバーを続けて使った。鳥栖はルヴァンカップでメンバーを代えて戦っていたので、後半は疲れが出て、運動量がは少し落ちてしまった。しかし、そのなかでチームのやるべきことをしっかりやってくれた。
Q. 後半、三竿健斗選手を起用した理由は?
A. うちの右サイド、相手の左サイドバックの攻撃力がかなり増してきたので、聖真(土居選手)をずらす形で対応した。健斗はうちの左サイドの攻撃の部分、相手は高さも入れてきたので、そこの守備の対応をしっかりやる意図で投入した。
Q. 今日はファミリーJoinデイであり、ホームタウン協議会10周年のセレモニーもあった。地元の声援も大きかったと思うが?
A. こういう地域にあって、鹿嶋市だけでなく、ホームタウン、周辺の地域の皆さんに応援していただかないと、アントラーズはなかなか大きくなっていかない。それは、選手のときから感じていたこと。地元の人たちがたくさん応援に来てくれるような、愛されるチームを作っていきたい。そういう意味でも、こういう機会にしっかり勝てたことはうれしい。今日、見に来てくれた人には、何か刺激を与えられたのではないかと思う。これからもアントラーズを応援してほしい。
サガン鳥栖:マッシモ フィッカデンティ
前半に点が入ったゲームだった。1-0となり、アントラーズがより人数をかけて攻撃しなくてはいけない状態になった。そこでもう少しうまく回せればよかった。アントラーズのディフェンスは高いポジションを取っていたので、スペースがたくさんあった。もう少し前線の選手を使ってスペースを生かせればよかった。失点はPKとセットプレーから。軽いプレー、一瞬でも気の抜けたプレーをしたら、絶対に逃さないチームと準備してきたが、そこをしっかり決められてしまった。後半も失点せず攻撃の形を作れていたので、いいサッカーができていたと思う。とにかく1-0となり優位になった状態を生かしきれなかったことが、今日の試合の一番のポイントだった。
選手コメント
[試合後]
【昌子 源】
選手会長になって、ホームで勝てていないという声が最初に入ってくる立場になった。申し訳ないという気持ちを強く持っていた。応援がすごかった分、今まではそれに見合った活躍ができていなかった。まずは勝つというミッションを果たせて良かった。サポーターとの一体感がすごくあったと思う。
【植田 直通】
空中戦には自信を持っているので、今日は楽しかった。うまく競ることができた部分もあるけど、ファウルになってしまったプレーもあって、改善点はある。自分が責任を持って最後まで(豊田選手と)対峙しようと戦っていた。次は無失点でいきたい。
【山本 脩斗】
立ち上がりから、前線から良い守備ができていたと思う。しっかりと勝つことができたので、次につながる。
【遠藤 康】
先制されても焦りはなかった。アシストの場面は、源がよく決めてくれたと思う。試合に出ていなくてもチームを盛り上げてくれるメンバーがいて、全員で掴み取った勝利だと思う。
【三竿 健斗】
相手に長身の選手が多くいたので(長いボールを)蹴ってくることを予想して、跳ね返すことを考えていた。結果的に1回だけだったけど、しっかり跳ね返すことができた。試合に出ることができて嬉しかった。やはり試合に出ることが成長のためには大事だと実感した。
http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51976
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