[3.11 国際親善試合 U-22日本9-0U-22ミャンマー フクアリ]
盟友の心意気に感化された。寒空の下、半袖姿でプレーしたU-22日本代表DF岩波拓也(神戸)は「アイツは絶対に半袖。だから負けじと着てやろうかなと」とその理由を明かした。
先発した11人中、岩波とDF植田直通(鹿島)、MF中島翔哉(F東京)だけが半袖姿。どんなときも半袖でプレーする“CBの相棒”植田へ触発されたという岩波だったが、試合後は「ちょっと寒かった」と苦笑。後半からはキャプテンマークを巻くと同時に「今までああいうアンダーシャツを着たことがなかったので、一度はしておこうかな」と長袖となったが、「いらなかったっすね」と笑いながら振り返る。
岩波と植田は世界8強入りしたU-17W杯メキシコ大会など、いくつもの大舞台をともに戦ってきた。この日も慣れ親しんだCBコンビでU-22ミャンマー代表を完封。その関係性については「16歳からやっている。お互いを分かった中でプレーしているので。特長を理解して、いい関係でやれているのかな」と話すとおりだ。
しかし、この日の試合では「僕も植田もヘディングが強いし、それを武器にしている。今日はいいクロスが入ってきたなかで相手の守備がルーズだった。あと1、2点は取れたので、それは課題」と反省も忘れなかった。
とはいえ、植田との好守で完封勝利へ貢献した岩波は、この日はゴールも記録。前半21分にDF山中亮輔(柏)の右CKから打点の高いヘディングシュートをゴール正面へ叩き込んだ。試合前から「1点は取りたい」と意気込んでいた岩波は「あの1点で自分が落ち着いたというか、前半をいい形で終われた」と振り返り、家族も見に来ていた一戦での得点を喜んだ。
今後の目標について、「1次予選がもちろん大事。確実に突破しないと」と表情を引き締めたDFだったが、一息ついて語気を強めると「今年中にもう一つ上の代表へ入れればと思ってます」と言い切った。A代表入りは「まだまだすべての質を上げていかないと」と簡単なことではないのは承知の上だ。それでも「いつA代表へ呼ばれてもやれるように準備をして、まずはJで結果を残したい」と誓う。
後半からはキャプテンマークを巻くなど、チームの主力として、なくてはならない存在となっている岩波。「年は下ですけど、いい意味で年は関係なく。チームを引っ張っていきたい」。Jの開幕戦では思うようなプレーを見せることはできなかったが、この日は「久しぶりにいいパスも通せて、自分自身もノってきたのかな」と手応えも感じた。好プレーを続け、その先にはA代表入りも……。明確な目標を掲げたDFが、まずはU-22代表を予選突破へ牽引する。
(取材・文 片岡涼)