
日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年3月12日木曜日
◆復興活動を続ける小笠原の新たな夢/サッカーコラム(サンスポ)
【No Ball,No Life(15)】
2011年3月11日に発生した東日本大震災から4年。Jリーガーの先頭に立って復興活動に力を注いできた鹿島のMF小笠原満男が、今の思いを語った。
「復興はまだまだ。仮説住宅にもまだ何万人もの人が住んでいる。これからも伝えていかないといけない」。被災した岩手・盛岡市出身。高校時代を過ごした大船渡市は津波で大きな被害を受けた。鹿島の本拠地も被災し、カシマスタジアムは3カ月ほど使用できなくなった。
いてもたってもいられず、小笠原は車で東北に物資を届ける活動を開始。現地の店が営業できるまでになると、サッカー教室などで子供たちと触れ合う機会を増やした。東北にゆかりのあるJリーガーとともに「東北人魂を持つJ選手の会」(東北人魂)を発足させ、東北地方のサッカーの復興を目指す活動の体制も整えた。
このオフには、岩手に関東の高校生を招待してサッカーフェスティバルを開催。当初は関東で行われる予定だったが、遠征費の負担などを考えて開催地を変更した。「東北の高校生には強化にもつながるし、関東の子どもたちには被災地を見てもらうこともできた。意義のあることだったと思う」と振り返った。新たな取り組みへの手応えは上々のようだ。将来的には参加チーム数を増やして活動を継続させていきたいと、小笠原は語る。
被災地の学校には依然として仮設住宅が立ち並び、子供たちが運動できる場所が少ない現状がある。「自分にも子供がいるのでわかりますけど、4年間も運動ができないというのは大変なことだと思う」。体を動かせなければ健康な体と心の育成に大きく影響してくる。被災地を訪れると、運動不足でぽっちゃりした体形の子供が目につき、小学校の教員からは、授業中に奇声をあげてしまう子供の存在も聞かされた。
アスファルトの駐車場で中学のサッカー部の練習を3年間続けた子供もいたという。それでも「サッカーをしているときは、子供たちは本当に楽しそうにしている」。被災地に行くたびに、サッカーが子供たちの力になるという思いを強くしている。「岩手グラウンドプロジェクト」では、資金を集めて大船渡市の小学校の跡地にグラウンドを建設。現在はサッカーだけにとどまらず、野球や陸上など多岐にわたって利用されているという。こうした取り組みも、まだまだ必要だと感じている。
活動を続けていると、子供たちがすごく成長しているのを感じることができてうれしいと話す。「4年間って子供にとってはすごく大きい。早く走れるようになったり、ボールの扱いがうまくなったり」。顔付きが変わって誰かわからなかったのに、プレーを見て気付くこともあるという。「あの時、10番を付けていた子だよな?」と声をかけると、うれしそうにうなずく子供もいた。
新たな夢もできた。「中にはすごくうまい子もいて、『Jリーガーになりたい』という話も聞く。これからは東北地方のサッカーの復興だけじゃなくて、強化もやっていきたい。東北出身のJリーガーが出てきてほしい」。自分も、東北のいち高校生からプロへ巣立ったという思いがある。今は子供たちに未来を見てほしい。小笠原はそう願っている。(伊藤昇)
伊藤 昇(いとう・のぼる)
2009年入社。2012年ロンドン五輪で水泳やバレーボールを担当し、その後サッカー担当に。J1鹿島、日本代表、なでしこジャパン、五輪世代の代表などを担当する。食べ歩きと雪山をこよなく愛すが、増え続ける体重が今の悩み。
2011年3月11日に発生した東日本大震災から4年。Jリーガーの先頭に立って復興活動に力を注いできた鹿島のMF小笠原満男が、今の思いを語った。
「復興はまだまだ。仮説住宅にもまだ何万人もの人が住んでいる。これからも伝えていかないといけない」。被災した岩手・盛岡市出身。高校時代を過ごした大船渡市は津波で大きな被害を受けた。鹿島の本拠地も被災し、カシマスタジアムは3カ月ほど使用できなくなった。
いてもたってもいられず、小笠原は車で東北に物資を届ける活動を開始。現地の店が営業できるまでになると、サッカー教室などで子供たちと触れ合う機会を増やした。東北にゆかりのあるJリーガーとともに「東北人魂を持つJ選手の会」(東北人魂)を発足させ、東北地方のサッカーの復興を目指す活動の体制も整えた。
このオフには、岩手に関東の高校生を招待してサッカーフェスティバルを開催。当初は関東で行われる予定だったが、遠征費の負担などを考えて開催地を変更した。「東北の高校生には強化にもつながるし、関東の子どもたちには被災地を見てもらうこともできた。意義のあることだったと思う」と振り返った。新たな取り組みへの手応えは上々のようだ。将来的には参加チーム数を増やして活動を継続させていきたいと、小笠原は語る。
被災地の学校には依然として仮設住宅が立ち並び、子供たちが運動できる場所が少ない現状がある。「自分にも子供がいるのでわかりますけど、4年間も運動ができないというのは大変なことだと思う」。体を動かせなければ健康な体と心の育成に大きく影響してくる。被災地を訪れると、運動不足でぽっちゃりした体形の子供が目につき、小学校の教員からは、授業中に奇声をあげてしまう子供の存在も聞かされた。
アスファルトの駐車場で中学のサッカー部の練習を3年間続けた子供もいたという。それでも「サッカーをしているときは、子供たちは本当に楽しそうにしている」。被災地に行くたびに、サッカーが子供たちの力になるという思いを強くしている。「岩手グラウンドプロジェクト」では、資金を集めて大船渡市の小学校の跡地にグラウンドを建設。現在はサッカーだけにとどまらず、野球や陸上など多岐にわたって利用されているという。こうした取り組みも、まだまだ必要だと感じている。
活動を続けていると、子供たちがすごく成長しているのを感じることができてうれしいと話す。「4年間って子供にとってはすごく大きい。早く走れるようになったり、ボールの扱いがうまくなったり」。顔付きが変わって誰かわからなかったのに、プレーを見て気付くこともあるという。「あの時、10番を付けていた子だよな?」と声をかけると、うれしそうにうなずく子供もいた。
新たな夢もできた。「中にはすごくうまい子もいて、『Jリーガーになりたい』という話も聞く。これからは東北地方のサッカーの復興だけじゃなくて、強化もやっていきたい。東北出身のJリーガーが出てきてほしい」。自分も、東北のいち高校生からプロへ巣立ったという思いがある。今は子供たちに未来を見てほしい。小笠原はそう願っている。(伊藤昇)
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