
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年10月5日金曜日
◆「伝統がここまで残っているのは鹿島くらい」。神様ジーコの存在、ACL準決勝に臨む常勝軍団【宮澤ミシェルの独り言】(フットボールチャンネル)

日本代表選出経験も持つ元Jリーガーで、現役引退後は解説者として活躍中の宮澤ミシェル氏の連載企画。第20回は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝に挑む鹿島アントラーズについて。伝統を継承する常勝軍団の真髄、夏に帰還したジーコの影響力とは。(語り手:宮澤ミシェル)
日本勢が常にアジアの頂点にいることが理想
鹿島アントラーズがACL準決勝に進出した。準々決勝も危なげなく通過できたね。昨年は浦和レッズが優勝しているし、今年もアントラーズが優勝することで日本勢の2連覇を果たしてほしい。
これはアントラーズに限ったことではないけど、日本勢がACLを取らなきゃいけないというムードになっていると感じる。アジアの中で突出した存在になろうという。Jリーグのサポート体制も充実してきていると思う。その中で時差や気温差があったり、アジアの戦いは大変だよね。ACLという大会の重要性がもっと高まって、興行収入とかに繋がってくれば、アジアで勝たなきゃいけないという意識は今後も自然と生まれていくと思う。Jリーグはもちろん大事なんだけど、アジアの頂点には常に日本のクラブがいるという状況をやっぱり作りたい。
ACLって時代の流れも見られるよね。例えば中国みたいにお金をたくさん使ってサッカーを強くしようと、国策みたいになっているところもある。少し前には広州恒大が本当にすごいチームになった。ああいう勢いを感じると、監督、選手、環境、お金と、その時代のサッカー界をわからせてくれるというか。少し前の中国には、93年にJリーグが開幕して日本が一気に盛り上がった時みたいな勢いがあったよね。
アジア制覇を目指す鹿島に帰還したジーコ
大会のレベルが上がっていけば、世界から取り残されないようにもなるんじゃないかな。ヨーロッパではUEFAネーションズリーグができたから、代表レベルでヨーロッパのチームと強化試合するのが難しくなっている。それなら、いい選手を日本やアジアにどんどん呼んで勝負するしかない。それにしてもネーションズリーグってすごいよな。初戦からフランス対ドイツだもん。あれをやられると日本は困っちゃうよ。
ACLに話を戻そう。この大会に出場する日本勢は、特にシーズン序盤に苦しむ。始動して日が浅いし、日程も過密だから。アウェイから帰国して2日後にはこっちで試合なんて本当に大変だよ。気温が違うし、こっちでは長袖でやっているのにアウェイに行ったら暑くて大汗をかくというのは身体が大変。リカバリーしないといけないから戦術的な練習もロクにできないし、だからシーズン立ち上がりは厳しいよね。ある程度はターンオーバーもやっていかないと、リーグとACLとどっちが大事かではなく両方ダメになるよね。
その中でアントラーズはACLで準決勝まで来た。アジアのナンバーワンじゃなきゃいけない、とクラブは本腰を入れているよね。J1に目を移しても、暫定ではあるけど3位まで浮上している。そんなチームにとって大きなトピックが、テクニカルディレクターとしてジーコが復帰したことだ。
住友金属から鹿島アントラーズを作った人と言えるよね。僕らはその時に対戦相手として戦っていたから、彼の偉大さを感じるよね。あれだけのスーパースターが命をかけてもう一回体を作り直して、試合に出られるまでに持っていったのも見ているし、精悍な顔つきに戻った時も見た。
クラブの重鎮が帰ってきたということで、選手は緩めるわけにはいかないよね。8月の(V・ファーレン)長崎戦だったかな。思い出してもらわなきゃいけないなと思って会いに行ったよ。そうしたら、30秒くらいかかったけど思い出してくれたよ(笑)
「伝統が崩れないのがアントラーズ」
チームに与える影響は絶大だ。一言がやっぱり違う。リーダーっていうのは一言で変えるからね。背中でも見せるし。この人について行きたいと思わせられるか。僕はよく学校の先生とかに言うんだけど、生徒が何か悪いことをして怒っても、本当に子どもが好きで、その子も先生のことを尊敬していたら、その生徒は自分が悪かったなと思うよ。要は、誰からも尊敬されるのがジーコなんだよ。
ジーコが帰ってきて、今季は内田篤人も復帰している。アントラーズがすごいのはチームの作り方。ベテランだけでもダメだし、ベテランがいなくてもダメだし。そこがうまく継承されている。伝統があるのはもちろん、それが崩れないのがアントラーズ。大きく切り替える時も、ベテラン、中堅、若手のバランスをいつも考えている。何が抜けてもダメだよね、という風にできている。伝統があそこまで残っているのはアントラーズくらいだ。
今年のキャンプに行った時に(鈴木)満さんが来てくれて、「補強が今足りないと言われているけど、俺は去年獲ったつもりでいるんだよ」と。「今年は、その選手たちを伸ばしてもらう、チームの力になれるようにするのが補強だ」と言ったんだよね。しっかり組織を見ているんだよね。
それで、この夏にはジーコが来た。内外に影響を及ぼすシンボルなんてなかなかいない。ジーコが毎試合見ているだけでも違うよね。認められたいと思うから。それに、ジーコって決してアントラーズがいい時に来たわけじゃない。例えばJ1を連覇している時とかではない。何かもう一つ、というところで来ている。その意味ではアントラーズとジーコがずっと良好な関係を築いていたということだし、それが伝統なんだよね。
準決勝第一戦はレオ・シルバが出場停止だけど、誰が出られないとか言っていられない。むしろ「やってやる」と思っている選手ばかりでしょう。三竿(健斗)は日本代表だし、小笠原(満男)は小笠原だし。アジアのタイトルを奪うためにアントラーズがどう戦うか、楽しみだね。
▽語り手:宮澤ミシェル
1963年7月14日、千葉県出身。Jリーグ黎明期をプレーヤーとして戦い、94年には日本代表に選出された経験を持つ。現役引退後は解説者の道を歩み、日本が出場した過去5大会のワールドカップを現地で解説している。様々なメディアで活躍。出演番組にはNHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』、WOWOW『スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などがある。
【了】
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