
日刊鹿島アントラーズニュース
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2022年5月20日金曜日
◆鈴木優磨に見る台頭期の本田圭佑の面影。森保一監督は使いこなせるか否か(Sportiva)

暫定ではあるが、現在2位につけている鹿島アントラーズ。4位に終わった昨季との違いについて考えると、監督采配を除くなら、13戦連続スタメン出場を飾る2人の新加入選手に目がいく。鈴木優磨と樋口雄太だ。4-1と大勝した前節のコンサドーレ札幌戦(5月14日)でも、鈴木が2ゴールを決めるマン・オブ・ザ・マッチ級の活躍をすれば、樋口はアルトゥール・カイキが頭で決めた4点目を、鮮やかなフリーキックでアシストしている。
力量的には両者とも日本代表レベルにある。間もなく発表される6月の代表戦に選びたくなる旬の選手である。気になるのは森保一監督との相性だが、日本の現状に照らした時に、浮上してくるのは鈴木だ。下り坂にある大迫勇也(ヴィッセル神戸)以外、これだという人材が見当たらない1トップ候補として推したくなる。鹿島で鈴木と2トップを組む上田綺世も候補のひとりだが、少なくとも鹿島でいまどちらが欠かせない選手かといえば鈴木だ。プレーの幅の広さという点で、鈴木は上田に対して優位に立つ。
さらに言えば多機能的だ。基本的には上田と並列で構える2トップながら、右にも左にもトップ下にも移動する。鹿島は横浜F・マリノスや川崎フロンターレとは異なり、4-2-2-2的だ。監督がブラジル系からスイス人のレネ・ヴァイラーに代わっても、流れは大きく変わっていない。両ウイングがライン際に張るように構えるスタイルではない。
そこに鈴木はタイミングよく流れていく。ドリブル、フェイント、折り返しといったウイング然としたプレーを、右でも左でも器用にこなす。利き足は右ながら、典型的な右利きには見えない。瞬間、左利きにも見えたりする。つまり、進行方向が読みにくいのだ。
プレーは一見強引そうに映る。見てくれは"オレオレ系"ながら、サッカーそのものは実にクレバー。冷静でセンスがいい。全体像を把握しているかのような"俯瞰の目"を備えている。このような選手はかなり珍しい。
元レアルのラウルを彷彿とさせる
大迫はストライカーながら1トップ下としての素養を備えるが、サイドでは芸を発揮することができない。上田もしかり。サイドバック(SB)に1対1を仕掛け、勝利するだけのドリブル&フェイント力はない。
前田大然、古橋亨梧(ともにセルティック)、浅野拓磨(ボーフム)らの候補選手は、ウイングもトップもこなすウイング兼ストライカーと言えるが、1トップ下の要素はない。ディフェンダー(相手CB )を背にしたポストプレーは得意ではない。
一方、アイントラハト・フランクフルトでヨーロッパリーグ(EL)決勝進出を果たし、外せない選手となっている鎌田大地は、言ってみればセンタープレーヤーで、大迫的だ。サイドを縦に突くイメージはない。
ストライカー兼ウイング兼1トップ下。こうしたタイプは世界的にも珍しい。クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、かつてのティエリ・アンリ、サミュエル・エトー、アンドリー・シェフチェンコなど、ストライカー兼ウイングの名選手は数多くいる。だがこれにトップ下、あるいは中盤的な要素を備えた選手となるとそうザラにいない。
筆者が唯一イメージできるのは、レアル・マドリードのかつての看板選手ラウル・ゴンサレスだ。左利きながら常にボールを真ん中にセットしているので、右に行くか左に行くかわからない選手だった。名波浩や中村俊輔に代表されるように、多くの左利きの選手が、身体を格闘技で言うところの半身の体勢で開くようにプレーするなかで、ラウルは当時、珍しい存在に映った。プレッシングサッカーの興隆とともに、左利き度がキツい選手、右利き度がキツい選手は減っていくのだが、ラウルはそうした意味で走りの選手だった。
4-2-3-1の前方の「3-1」をすべてソツなくこなすことができた。
ラウルがプレーした頃のレアル・マドリードには、フェルナンド・モリエンテス、プレドラグ・ミヤトビッチ、二コラ・アネルカ、ルイス・フィーゴ、ジネディーヌ・ジダン、ロナウドなど、華のあるアタッカーがひしめいていた。
周囲に合わせてポジションを変える
ラウルはそこで、格的に必ずしもナンバーワンの存在ではなかった。その日、足りていないポジションに回される格好だった。出場するポジションは、1トップ、1トップ下、左ウイング、右ウイングと日替わりのように違った。
試合中に移動することもたびたびあった。サイドで先発したミヤトビッチやジダンが、真ん中志向を剥き出しに中央にポジションを変えると、1トップ下で先発したラウルは、サッと入れ替わるようにウイングにポジションを変えたものだ。
自ら移動するのではなく、周囲に合わせ受動的に動く。鈴木もまさにこのタイプになる。左ウイングで先発しながら、いたたまれずに中央に移動したがる香川真司や南野拓実的ではまったくない。
日本人選手で言えば、一時期の本田圭佑が鈴木的だった。サイドでボールを受けても芸が出せない香川が、たまらず真ん中に入れば、気を利かせて左サイドにスッと開いたものである。本田は1トップに加え1トップ下もこなした。右でも左でもプレーした。鈴木と本田は、ピッチの広い範囲に影響を及ぼすことができる選手という点で一致する。ただ、本田は絶頂期が短かった。ケガを機にプレーは重くなり、余裕がなくなった。万能性、多機能性も失われた。
そうした魅力を鈴木は兼ね備えている。本田に通じる大物感もある。日本代表の中心選手に化ける可能性を秘めている。欧州からの出戻り組ながら、今が旬を迎えている鈴木を使いこなせるか否か。森保監督には指導者としての器の大きさが問われている。
◆鈴木優磨に見る台頭期の本田圭佑の面影。森保一監督は使いこなせるか否か(Sportiva)

「日本代表の中心選手に化ける可能性を秘めている。欧州からの出戻り組ながら、今が旬を迎えている鈴木を使いこなせるか否か。森保監督には指導者としての器の大きさが問われている」
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) May 19, 2022
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