
日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年12月15日火曜日
◆鹿島アントラーズ、ユース年代初の勲章で「常勝軍団」へ盤石の体制(Sportiva)
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/12/14/post_1021/
浅田真樹●文 text by Asada Masaki 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki
Jリーグ創設以来、他クラブを圧倒する数のタイトルを獲得してきた鹿島アントラーズに、新たな勲章が加わった。
とは言っても、それを手にしたのはトップチームではない。アカデミー(育成組織)の中の、高校年代にあたるユースチームだ。
東西10チームずつで争われるプレミアリーグの優勝チーム同士が、ユース年代日本一をかけて対戦する高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップ。その大一番で、鹿島ユースはガンバ大阪ユースを1-0で下し、初優勝を遂げたのである。
ガンバ大阪ユースを下して、ユース年代の頂点に立った鹿島アントラーズユース 鹿島というと、高校や大学を卒業した”新卒”の逸材を次々に獲得し、充実した戦力で多くのタイトルを獲得してきた。FW柳沢敦(富山第一高出身)、小笠原満男(大船渡高出身)、DF内田篤人(清水東高出身)、FW大迫勇也(鹿児島城西高出身)、MF柴崎岳(青森山田高出身)など、名前を挙げればきりがない。
その一方で、自クラブのアカデミー出身でトップチームの主力にまで育った選手は、GK曽ヶ端準など、ごくわずか。ガンバやサンフレッチェ広島など、アカデミー出身の選手が数多くピッチに立ってきたクラブに比べると、鹿島は自前で選手を育てることができていなかった。Jリーグで最も成功したクラブと言っていい鹿島にあって、唯一の泣きどころがユースチーム以下のアカデミーだったのだ。
そんな鹿島が、ついにユース年代でも日本の頂点に立った。鹿島のアカデミーにいったいどんな変化があったのだろうか。
鹿島ユースを率いる熊谷浩二監督は「縦の関係」を要因に挙げ、こう語る。
「ジュニア(小学生)、ジュニアユース(中学生)、ユース(高校生)、トップの連携がスムーズになっている。これがスタンダードではあるのだが、今まではうまくいかないところがあった」
実際、熊谷監督が指導するユースチームで言えば、トップチームと練習試合をしたり、ユースの選手がトップの練習に参加したりといったことが、頻繁に行なわれるようになったという。
そこには熊谷監督の存在も大きく影響していると、長らく鹿島の強化を担当してきた鈴木満常務取締役強化部長は話す。
「(トニーニョ・)セレーゾとクマ(熊谷監督)は監督と選手の関係だったので(※今季途中までトップチームを率いていたトニーニョ・セレーゾ前監督は、熊谷監督が現役時代にも監督を務めていた)、ふたりは『練習試合でもやろうか』という話ができる。(トップとユースの監督が)セレーゾとクマになって、関係が強くなった」
また、鈴木強化部長は「つくばに(アカデミーの)拠点ができたのが大きい」と語る。
鹿島は2011年、従来の鹿島、日立に加え、3つ目のアカデミーの拠点をつくばに構え、合わせてジュニアユース以下のチームも同所に新設した。つくばは「交通の便がいい」(鈴木強化部長)こともあり、有望な選手獲得のための重要な役割を果たすようになった。ジュニアユース段階で茨城県内全域から広く選手を集められるようになったことが、ユースチームの強化にもつながったというわけだ。
「全国にJクラブが増え、新卒の選手を獲得するのが難しくなっている。そうなると自前で選手を育てなければならない」
鈴木強化部長がそう語るように、Jクラブが増えれば単純に争奪戦が激しくなるのはもちろんだが、Jクラブが増え、各クラブのユースチームに所属する選手が増えれば、必然的に高校に所属する選手の中にプロで通用するレベルの選手が少なくなる。
その傾向は、今後さらに強まる可能性が高く、さすがのスカウト力を誇る鹿島もこのまま手をこまねいて見ているわけにはいかなかった。
アカデミーの強化に本腰を入れた成果は、早くもトップチームで表れてきている。
今季ユースから昇格したFW鈴木優磨は、リーグ戦7試合に出場し、2ゴールを挙げるなど活躍。鹿島が優勝したナビスコカップ決勝でも貴重な追加点をアシストするなど、シーズン終盤は攻撃の切り札的な役割を担った。
今回初めて高円宮杯を制したメンバーの中からも、4名が来季からトップチームに昇格することが決まっている。そのうちのひとり、年代別日本代表経験も豊富なDF町田浩樹は語る。
「1日でも早くスタメンで出られるようにがんばりたい。若手がベテランに遠慮していてはダメなので、レギュラーを取るつもりで練習からやりたい。鈴木優磨選手は去年まで一緒にやっていたので親近感があるし、そういう選手が活躍したことで、自分たちもやらなきゃいけないという義務のようなものを感じている」
これまでトップチームへの確かな選手供給源となりえていなかった鹿島のアカデミーは、着実に成果を上げ始めた。愛弟子たちをトップチームに送り出す熊谷監督は、厳しい言葉の中にも手応えを口にする。
「プロに上がると言っても、まだまだ本物ではない。上がって終わりではなく、レギュラーを取るような選手を育てないと。まだまだだが、少しずつそこに関われるような選手が育っているのではないかと思う」
ついにアカデミーでも日本一のタイトルを手にした鹿島。Jリーグ最強のクラブは、いよいよ穴のない盤石の体制を築き上げようとしている。
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