
日刊鹿島アントラーズニュース
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2021年6月16日水曜日
◆上田綺世は超論理型ストライカー。「選択肢に0.2秒で答えを出します」(Sportiva)

――ストライカーとは何か?
法政大学時代、プロ入りする前の最後のインタビューだった。筆者は、上田綺世(鹿島アントラーズ)にそう投げかけた。
「頼られる存在でなければならないと思っています。そのためには味方を頼れないといけない。お互いが信頼を得て、得られて、ストライカーは成り立つ。一匹狼はダメ。ましてや、僕なんて動き出しが武器なんで、パサーがいないと生きない。ゴールは最後の1割が自分で、組み立ててくれる9割が別にあると思っています。そこで自分の色を発揮し、成功に終わらせるのが役目で......」
上田は自らのプレーを精密に見つめ、順序だてて説明した。いわゆる論理型のストライカーだ。
「FWというポジションは、単純に点を取るのが仕事で、ミスしてもうまく切り盛りして次に行く。捨てるところは捨てて、拾うところは拾う」
彼にはストライカーの定理があった。
6月12日、豊田。センターサークルで三笘薫がドリブルでジャマイカのひとりをはがしてボールを運んだ瞬間だった。上田はパスコースを示すように疾走。並走するディフェンダーを置き去りに、パスを呼び込む。無駄にボールに触らず、最短距離でゴール前に侵入し、GKと1対1になった。
「ゴロでコースを狙うか、GKをかわして打つか。(GKが)中途半端な出方だったので、ここはループだろうと」
試合後に上田は冷静にそう振り返ったが、GKの頭上を抜くシュートの軌道は掛け値なしに美しかった。
「僕はシュートを打つときは、選択肢を消去法で消していきます」
かつてのインタビューで、上田は淡々と語っていた。
「少し先を見るというか......。例えばですが、背後に出たボールでGKと1対1に近い状況になったら、僕の選択肢はだいたい4つあります。ファーにゴロ、ニア、ループ、そしてGKをかわす。GKを見たとき、瞬間的に『ニアだと当たる』『ループはできない』とか感覚的に"はばばば"って頭の中にある写真映像をはじいて。たぶん、0.2秒とかで答えを出します」
上田はキャリアの中でゴールの定理を突き詰めてきた。シュートの修正、改善、発見と、その繰り返し。例えば鹿島では、昨シーズンからチームメイトになったブラジル人FWエヴェラウドのフィニッシュパターンも貪欲に盗んでいる。
「結局、FWはシュートの(バリエーションの)幅があるかどうか。シュートは簡単に見えるものでも、思った以上にどれも難しい」
上田はそう言う。ゴールという答えを導き出すための定理。それに向き合って、逆算してきたからこその言葉だ。
特徴である動き出しひとつとっても、緻密な計算と洗練が見える。味方の特性を理解し、呼吸を合わせる。一連の動きには彼なりの臨機応変な計算があって、ディテールの乱れでシュートが決まらないことはあるが、ゴールは明確にイメージされたものだ。
さらに言えば、ゴールに至る前段階で上田にはビジョンが浮かんでいる。サイドに流れる動きやポストプレーはそのひとつだろう。スペースを創り出し、使い、共有できる。非常に理知的なプレーだ。
また、上田はイメージを具現化する屈強な体と技術にも恵まれている。ディフェンスと並走した時にぶつかり合っても競り負けず、腰が強い。ガーナ戦で久保建英にアシストしたシーンでは、縦パスをエリア内で収めたが、特筆すべきキープ力だった。ヘディングも献身的に競り合うだけでなく、横からのボールに対してはマークを外す動きが秀逸で、完璧なインパクトで叩き込んだ。
「僕は緊張することが嫌いじゃないんです」
上田は訥々と語ったが、そこに彼の本質が見えた。
「例えばPKも『好き』と言いながら、本当は緊張して、(2018年の)アジア大会のマレーシア戦で蹴った時、息が詰まるくらいの緊張で呼吸も苦しくて、ボールを置くときも手が震えた。でも、この一蹴りを入れられたら、『違う上田綺世にたどり着ける』と思えて......。逆に外せば終わってしまうんですが、そこは五分五分のフェアな賭けで、僕はその一瞬が好きで、自分が蹴るまで誰も干渉できない空気も好きですね。それを楽しみたい。決められる自信もありながら、外した自分も思い浮かべられる。どっちに行けるのか」
ひりひりとした感覚を楽しめるのは、本能的ストライカーとも言える。定理にすがりつかず、ギャンブラーの荒々しさも持っているのだ。
「(東京五輪の最終選考に向け)メンバーがライバルという感じで報道されますけど、サッカーをやっている限り、どこかのチームに所属して、そこには競争があって。五輪でも代表でも、その本質は変わらないと思っています。(ジャマイカ戦は)ゴールを決められましたけど、2点目になるようなクロスもありましたし、FWである限りはゴールを求め続けるだけ」
7月に開幕予定の東京五輪。上田のゴールの定理が、メダルの歓喜とイコールで結ばれる。
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