http://www.sanspo.com/soccer/news/20130726/jpn13072605040010-n1.html
東アジア杯(25日、日本3-2豪州、韓国・華城)男子の日本(FIFAランク37位)は豪州(同40位)に3-2で競り勝ち、1勝1分けの勝ち点4で首位に立った。28日の最終戦で韓国に勝てば初優勝が決まる。引き分けた中国との初戦から先発を全て入れ替えた日本は、初先発のMF大迫勇也(23)=鹿島=が決勝点を含む2発を決めた。
重い空気を一掃した。2点リードを追いつかれた直後の後半34分、MF大迫が右足を一閃。この日2ゴール目の決勝弾をたたき込むと、拳を握りしめながら飛び上がった。
「やっていて楽しかった。本当は前(1トップ)でやりたいけど割り切りました。流れの中で決められたし、これを続けていきたい」
試合前のザッケローニ監督の指示は「2トップに入れ。状況によって下がれ」。指揮官が視察するなか、所属する鹿島の柏戦(13日)で見せた前線に陣取るFWダビとの関係性の再現を期待された形だ。
大迫は自身のこだわりを胸にしまい、トップの位置をFW豊田に譲って、少し下がった「セカンドトップ」に入った。そして、どちらも豊田のパスを受け、後半11分のチーム2点目と決勝点を挙げた。代表で生き残るために必要な適応力の高さを見せつけた。
指揮官は初戦の中国戦から、先発11人すべてを替える思い切った策に出た。テストの色合いが濃く、自らの存在価値をアピールするチャンスだった。「やってやろうと思っていた」という大迫は、ゴールという形で一発回答だ。
「もっと取れたし、もっとやらないと」と、もちろん簡単に満足はしない。昨年のロンドン五輪メンバーからまさかの落選を経験した。「あのことは忘れた」と悔しさを押し隠した大迫が1年後、ザックジャパンの救世主に躍り出た。 (林健太郎)