鹿島アントラーズのDF内田篤人選手は、2010年から2017年までドイツ・ブンデスリーガのシャルケでプレーしていた。
ドイツでプレーしていた内田選手には、チームメイトとのエピソードが豊富にある。今回は内田選手と大の仲良しだったマヌエル・ノイアー選手とのエピソードを紹介する。
ノイアー選手は、現在、ブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンに所属し、ドイツ代表としても活躍しているゴールキーパーの選手だ。
シャルケの下部組織出身で、2006年にブンデスリーガデビュー。2009年6月2日にはドイツA代表デビューしている。
2011-2012年シーズンにバイエルン・ミュンヘンへ移籍。
2014年のブラジルW杯では、セーブ率が大会通算で86.2%を記録し、ドイツ代表の優勝にも大いに貢献した。その活躍を受けて、ゴールデングローブ賞も受賞している。
内田篤人とノイアーのエピソード
内田選手がシャルケに移籍したばかりの頃、あるミーティングでのことだ。フェリックス・マガト監督が選手一人ひとりにダメ出しをし始めた。内田選手も例外ではない。
しかし、通訳を付けていなかった内田選手には、マガト監督が何を言っているのか分からなかった。
そんなとき、マガト監督に「ウッシー(内田選手)が今のドイツ語を理解するのは無理だ」と指摘してくれたチームメイトが、ノイアー選手だ。
東日本大震災のメッセージを伝えるため、ノイアーが男気を見せる
ノイアー選手が内田選手とともにシャルケでプレーしたのは、2010-2011年シーズンの1シーズンという短い期間だったが、本当に良いチームメイトだったとわかるエピソードがある。
それは、2011年のこと。3月11日の東日本大震災だ。
東日本大震災の発生をドイツで知った内田選手。トレーニングシャツに日本へ向けたメッセージを書き、カメラの前で見せて伝えることを考えた。
3月12日のホーム・フランクフルト戦前、内田選手がトレーニングシャツにメッセージを書いている様子を見たノイアー選手は「それを見せるのか?」尋ねた。
内田選手の返答は「勝ったら見せる。負けたら見せない」。それを聞いたノイアー選手は「俺が守って勝たせる。問題ない」と答えたという。
これだけでもノイアー選手が内田選手にとって良いチームメイトだとわかるが、エピソードはこれだけではない。
ノイアー選手がこの試合で、自身のミスによって失点してしまい、フランクフルトに同点に追いつかれてしまう。
しかし後半39分、ノイアー選手のロングフィードでアシストを決め、逆転ゴール。そのゴールが決勝点となり、シャルケが2-1で勝利した。
いざ、チームが勝って喜んでいるのを見て、自分だけメッセージを伝えるのが良いことなのかと、内田選手は迷ったそうだ。
しかし、ノイアー選手が内田選手をエスコートしてくれたので、内田選手はメッセージ入りのシャツを見せることができた。
ノイアーは自慢の友達…ブラジルW杯優勝のノイアーを祝福
2014年、内田選手はネットメディアのインタビューで、ノイアー選手がブラジルワールドカップで大活躍したことについてコメント。GKとしての安定感と技術力の高さをたたえた上で、「自慢の友達です」と語った。