日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年11月22日火曜日

◆柴崎岳「森保ジャパンは大きな成長をしている」ドイツ戦のテーマは“中盤のバトル”(ゲキサカ)






 MF遠藤航(シュツットガルト)が脳震盪の復帰プログラムからようやく全体練習に合流したばかりで、MF守田英正(スポルティング)は左ふくらはぎで別メニュー調整が続いている日本代表のボランチ。運命のカタールワールドカップ初戦、ロシアW杯経験者で今大会の最終予選から序列を落としていたMF柴崎岳(レガネス)に先発出場の可能性が出てきている。

 初戦でぶつかるドイツはMFヨシュア・キミッヒ、MFレオン・ゴレツカら中盤に絶対的な強みを持つ相手。大一番に挑む背番号7は「相手も中盤に強みを持っているチームなので、ポジション的にそこのバトルは非常に重要になる」としつつ、「彼らのトランジションの速い部分を抜け切れるかどうかが鍵になってくると思う」と展望を述べた。

 “中盤のバトル”といっても、求められる仕事は決して、タックルで相手とのぶつかり合いを制したり、セカンドボールの拾い合いで上回ったりするだけではない。柴崎は「そこは非常にセンシティブなテーマ。攻撃の部分もそうだし、守備の中でもいろんなデュエルの定義がある。僕自身、いろんな考えを持って話したいと思っているので、あまりこの短い時間でどうとは言いづらい」と言葉を選びながらも、次のように続けた。

「さまざまな形のデュエルの中で、結果的にどっちのチームがどういった形で主導権を握るかという部分が、過程はどうあれ結果としてどうなっているかが大事だと思っている。全ては結果に直結する部分としてどうだったかが大事」

 まさに求められるのはチームを勝利に導く仕事だ。MF田中碧(デュッセルドルフ)とともに先発した17日の国際親善試合カナダ戦では先制ゴールにつながるスルーパスなど、キックという絶対的な武器を発揮した一方、結果につながるゲームコントロールに課題が残り、1-2で敗れた。

「ボランチの選手もそうだし、チームとして守備にしろ攻撃にしろ一辺倒な戦い方にならないようにはしないといけないと思っている。そういった意味で中盤の選手はそこの変化を一番先につける部分でもあると思う。ゲームの展開を見ながら日本に有利になるような判断を求められる」。カナダ戦での反省も活かしつつ、さらに緻密さが求められるドイツ戦に挑んでいくつもりだ。

 森保ジャパンの発足時から4年間余り、怪我で離脱していた時期を除けば一貫して招集されてきた柴崎。前回のロシアW杯で見せたパフォーマンスは影を潜める時期もあり、W杯最終予選の途中から先発出場の機会が激減したが、チームへの思いは変わらない。

「発足時からメンバーもだいぶ入れ替わっていて、若いメンバー、特に五輪世代は五輪という大きな大会を経験して、そこからまたグッとA代表に食い込んできた。そこは発足時と全く違うし、4年経てば経験値もプレーも変わってきて、大きな成長を森保ジャパンはしていると思う。ここまで積み上げてきたものを一番重要なこの大会で出せるかが評価軸になる」

 そんな中、柴崎自身は前回大会の結果を過度に意識するわけでもなく、ピッチ上の仕事だけにもこだわることなく、フラットな気持ちでチームに貢献していく構えだ。

「前回のリベンジだとも思っていないし、新たな大会として捉えている。自分が試合に出ようと出なかろうと、日本代表というチームの中でやるべきことは自分の中で整理できているし、自然な心持ちでいる。ロシアのリベンジとよく言われるストーリーだけど、どちらかというとこの森保ジャパンがカタールの地で何を作っていけるか、挑戦の気持ちでいる」。必ずしも理想的とは言えない4年間を過ごしてきた30歳は、決戦に向けて静かに準備を進めている。

(取材・文 竹内達也)





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