J1最終節9試合が2日に各地で行われる。優勝の可能性が残る鹿島と川崎は1日、それぞれのクラブハウスで練習。磐田戦(ヤマハ)に勝利すれば、9度目の優勝を連覇で飾る鹿島は、主将MF小笠原満男(38)が過去19冠を獲得してきた「犠牲心」の重要性を改めて強調。逆転優勝には勝利が必要な川崎は、中2日で迎える大宮戦(等々力)へ向け、リーグ最多66得点を誇る攻撃サッカーを貫き、鹿島の結果を待つ。
原点に立ち返り、クラブ20冠を達成する。勝てば自力で9度目の優勝を決められるが、川崎が大宮に引き分け以下に終わっても、連覇が決まる。ただ、主将のMF小笠原は「自分たちで勝って決めたい。どんな状況でも勝ってきたのが鹿島だし、こういう試合で勝つのが鹿島。勝つってこと(で成り立つ)でしょ、このチームは」と磐田から勝ち点3を奪った先の戴冠を見据えた。
Jリーガー最多タイとなる16冠獲得の経験から、大一番は基本が大事になるという。それはジーコ・スピリットにも掲げられる「献身」だ。主将はチームのために「ヘロヘロになるまで走ること」「倒れるくらいまで戦い切ること」と磐田戦の鍵に挙げた。ベンチスタートとなる小笠原も試合前から「どうやったらチームを勝たせられるか」に頭を巡らす。全員が勝利のために尽くす。
40番の背中を追うDF昌子も「アントラーズの戦いをピッチで見せたい」と受け止め、MF遠藤は「この1年、みんなで優勝を目指してきた。ベンチ外になった選手、その人たちの分まで走りたい」と言った。最終節を首位で迎えた過去3回(96、08、09年)は優勝を手にしている。磐田戦にはベンチ外となった選手も会場に駆けつける予定で、変わらぬ勝負強さを見せつけるつもりだ。
大岩監督は練習前に選手を集めて、「いい時も悪い時もこのメンバー、スタッフで乗り越えてきた。その集大成が今日であり、明日。いつも通りチーム全員で磐田に勝つためにいい準備をしていこう」と声を掛けた。「まだまだ強いチームにならなきゃいけない。勝つことでこのチームは強くなる」と小笠原。過去の19冠同様、鹿島らしく戦い、頂点に立つ。(内田 知宏)
【鹿島】小笠原、クラブ20冠へジーコ魂「倒れるまで戦い切る」