
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年12月22日土曜日
◆鹿島がレアルに本気で挑み見えたもの 涙の19歳安部が体感した「プレー強度の差」(FOOTBALLZONE)

クラブW杯準決勝で1-3と完敗、時間の経過とともに鹿島の足が止まる
FIFAクラブワールドカップ(W杯)準決勝で、欧州王者レアル・マドリードに1-3と完敗した試合後、号泣した鹿島アントラーズの19歳MF安部裕葵は試合の状況を次のように振り返った。
「前半の30分ぐらいで、強度の違いは感じました。自分のコンディションは全然悪くないと思っていたので。でも自分の息が上がっていることに気づいて、絶対に相手の強度、パススピード、展開のスピード、判断の全部が早いので、僕たちも筋肉を使ってたくさん息をしてというプレーだったので、気づきましたね」
この試合で鹿島の足が止まった理由については、複合的な理由がありそうだ。体力的な疲労もそうだし、迂闊にボールを出したら取られる、足を出したらかわされるといったピッチ上ならではの感覚の積み重ねかもしれない。
レアル側が立ち上がりは手探りで、鹿島の出方を観察していたことは明らかだった。実際に試合途中から中盤の構成を変えてきており、ルカ・モドリッチ、トニ・クロース、マルコス・ジョレンテの3人が中盤をはめてからは、それまでかなりボールを持って起点になっていた鹿島のレオ・シルバや永木亮太もなかなか保持できなくなり、前線の土居聖真やセルジーニョが下がってもらわないと、攻撃すらできなくなっていた。
逆にレアルの攻撃になれば取りに行くとかわされ、その背後を突かれるというシーンが繰り返されるようになり、前半20分過ぎから徐々にペースを握られ、同44分にベイルの先制ゴールが入る頃には完全にレアルの試合になっていた。
それでも後半の途中まで鹿島は動いてはいたし、なんとか相手の強度についていこうとする姿勢はプレーに表れていた。そこからミスで2点目を失い、さらにベイルにハットトリックを決められた頃には、チーム全体からダイナミズムが失われていた。
その理由は心身の複合的な理由であるはずだが、冒頭の安部の話に出た“強度の違い”というのが90分の時間が経つにつれて、どんどん差になって表れていくという感覚は、スタジアムで観ているなかでも受け取れるものだった。

経験豊富な内田も“アスリートとしての差”を再認識 「疲れてからも判断が狂わない」
さらに安部は「(途中から)ちょっと差がきつくなって、1個(鹿島の)ラインが下がったように感じました。立ち上がりの20分までのようなプレーを90分は続けられないなというのは、分かっていましたけど」と振り返る。
要するにレアル側が平常運転、もしかしたら試運転くらいでやっているゲーム序盤のプレーに合わせて、上回ろうと知らず知らずのうちにオーバースペックの強度となり、さらに時間が経つにつれて強度は上がり、現在の鹿島の選手たちは体も頭も“キャパオーバー”になってしまったということかもしれない。
バヒド・ハリルホジッチ元監督時代の日本代表合宿で、普段よりかなり強度を上げて20分くらいのミニゲームを行っていたことがあった。そこで当時のキャプテンだった長谷部誠(フランクフルト)は、「強度の高い練習でしたが、これを90分は無理でも25分、30分と伸ばしていく必要がある」と語っていたのが、強く記憶に残っている。
その練習では代表選手たちがあえて自分たちの平常運転より強度を上げることで心身に負荷をかけたわけだが、今回のような明らかに“格上”のチームと真っ向勝負をすると、スタートから自分たちの平常運転を超えた強度でプレーする必要が出てきて、時間とともに相手との差が表れるという現象になる傾向があるのかもしれない。
また後半から出場した内田篤人は、「アスリートとしての差っていうのもあるのかなと。疲れてからも動ける、あれだけ判断が狂わない。まあ、それはもうだいぶ前に(シャルケで)感じたこと」と語る。持っている強度のスペックの関係で、疲労の度合いがそもそも違うことに加えて、レアルのようなチームは多少疲労してきてからもプレー強度が落ちない選手たちの集団であるということだ。
「インテンシティー」とも呼ばれる試合の「強度」は、パスのスピード、正確性、運動量、全体のコンパクトさ、当たりの強さなど総合的なパフォーマンスを表す指標のようなもので、分かりやすくデータによって計測できるものではないが、両チームの差を走行距離やボールポゼッション、パス数、シュート数などから想定することは可能だ。
後半になってリードしているレアルのほうが、シュート数が増えていったというのは両チームの強度に差が出ていったことを示す一つのデータだ。鹿島としては今回の戦い方をしたら、ほぼ確実に後半はまともなサッカーにならないくらいの差になることは明白だが、仮に前半の早い時間にリードを奪って、そこから引いてしまうといったプランがあるならば、勝機が全くなかったわけではないはずだ。
日本が世界で勝つための絶対条件は? 内田「なるべく失点1で抑えて…」
逆に90分そういう戦いをやり切ろうとしていたら、前半に1点奪おうと2点奪おうと、後半に逆転される可能性が限りなく高い。そうした具体的なプランニングは定かではないが、こういう強度でどこまでやれて、やれないのかは実際に試合をしてみないと分からない部分もある。
内田は「特に変わりなく、練習の段階でも対レアルっていう感じではなかったし、個人の弱み…そんなところないんだけど、そういうのを突こうという練習はしてきたし、特に相手に合わせるという準備の仕方はしなかった」と語ったうえで、勝つことだけを考えるなら引いて守って少ないチャンスを生かすようなサッカーをしないと厳しいということを指摘している。
「ベタ引きでもいいから守らないと。守んなきゃダメ、正直。つまんないよ。1点入れられちゃうかもしれないよ。でも、なるべく失点1で抑える。で、“ワンチャン”。聖真も(0-3から)1点取ってるし。テレビで観ていたらつまんないかもしれないけど。日本の人は、やっぱ鹿島のサッカーをやってほしいと思うし」
もちろん何が正解か、絶対のものはないが、少なくとも正面から挑んでいったからこそ分かった差というものがある。それをピッチで、肌で感じることは鹿島の選手たちにしかできないことだが、こうした“強度の物差し”は実際にピッチに立っていない日本サッカーの選手、ファン、メディアも共有はできるものであり、一つの指標として未来につなげていくべきものだ。
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